微生物
断食は体を浄化する代表的な方法の一つとされています。断食をすることによりほとんどの病気が治るあるいは改善するという意見まであります。 実際に断食にはいろいろな効果が報告されています。例えば、 ①内臓(特に消化管や肝臓、腎臓、膵臓など)の機能回復 ②余分な脂肪、コレステロールなどを排出し、肥満やメタボの解消 ③毒物(化学物質、重金属、薬物)、老廃物の排出 ④免疫力の増強 断食によって、消化や吸収、その後の代謝や輸送などに使っているエネルギー(1日に使っている全エネルギーの20~30%程とされています)や酵素などを体の修復に回すことができると考えられます。 例えば、かぜなどの病気の時に、食欲がなく […]
続きを読む前回の記事の続きです。 腸内細菌叢の確立に影響を与えている要因についてより深く考えてみましょう。 やや厳しい内容も含みますが、やみくもに現代医療を批判しているわけではなく、事実に基づいております。 やむにやまれぬ事情もたくさんあることは、臨床医である私も十分に承知しております。 もし、これらに当てはまることがあっても落ち込むことはありません。 これらを踏まえてどう考えていくのかは、これからの問題であり、社会全体の問題でもあります。 ① 抗生剤の使用 出産前後には、様々な医学的な理由により抗生剤が投与されることが多いですが、抗生剤が投与された場合は、妊婦の腸内細菌のバランスを大きく崩 […]
続きを読む前回の記事で、腸内細菌の様々な働きをみてきましたが、今回は、腸内細菌叢がどのように作られていくのかを解説していきます。 まず、一般的な腸内細菌叢のパターンについてです。 腸内細菌叢は指紋のように、人によって個人差があります。 一卵性双生児では二卵性双生児よりも似通った腸内細菌叢になります。 一緒に暮らしている人(夫婦、兄弟、家族)も腸内細菌叢が似てきます。 ある種族や地域、国によって共通する腸内細菌の傾向というものもあります。 このように、腸内細菌叢は遺伝あるいは環境による影響を受けますが、かなりの部分は食べ物によって左右されると考えられています。 食生活以外にも、腸内細菌叢に影響 […]
続きを読む前回の記事の続きです。 人と腸内細菌は共生関係というお互いに助け合っている関係にあります。 腸内細菌にとって人の腸内に住むメリットとはなんでしょうか。 まず、私たちは、定期的に食物を食べますので、腸内細菌には自動的に食べ物(とくに糖質)が供給されます。 また腸内は適度な温度や水分が保たれており、腸内の酸素の少ない環境は、嫌気性菌が多い腸内細菌にとっては実に快適な住みやすい環境と考えられます。 一方、人にとってのメリットですが、腸内細菌が良い状態では、以下のように、人の腸内でとても多くの役割を果たしており、人の存在を根本から支えています。 ①常在菌として存在し病原菌の […]
続きを読む私たちの腸内に生息している細菌を腸内細菌と言います。 人の腸の表面積はテニスコート1.5面分にもなりますが、その内部では、非常にたくさんの腸内細菌が互いに数やバランスを保ちながら、一種の生態系を形成しています。 この生態系(腸内細菌全体)は腸内細菌叢(そう)、腸内フローラ、マイクロバイオームなど様々な名前で呼ばれます。 また、腸内には細菌以外にも真菌(カビの仲間)や原虫など様々な微生物が常在しており、「腸内常在微生物叢(そう)」という呼び方がより正確かもしれません。 このブログでは、これらの細菌以外の微生物を含め、一般になじみの深い「腸内細菌叢」という言葉で統一することにします […]
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