「ワクチンの効果は有効率だけで判断しないようにしましょう」
「ワクチンの効果は有効率だけで判断しないようにしましょう」
〜効果についての新しい考え方を提案しています〜
先日はワクチンの有効率についての記事を書きました。今回の記事を読む前にぜひこちらも読んでください。
今回は、少し複雑ですが、ワクチンを受けないとどうなるのかの目安となるものを考案しました。時間がありません。多くの人に拡散をお願いいたします。
前回の記事で示した4パターンのいずれの場合もワクチン学ではまったく同じ有効率90%になりました。これは、一般の人がイメージするもの(図1)とは異なりますが、すべて発症した人を1/10の「割合」に減らしているから有効率は90%になるのです(科学的に間違いはない)。
しかし、まったく効果が違うのに同じ数字になりますので、トリックのように違和感を感じる人が多いのではないでしょうか。
有効率は「発症した人」の「割合」ですので、「テストした人数(総数)」や「発症しなかった人」は全く関係なくなってしまう所にトリックのポイントがあります。ですからトリックを見破るためにはここに注意すればいいのです。
まずは、「治療必要数(ワクチンの場合は接種必要数)」というものがあります。
治療(接種)必要数とは「1人の患者を減らすのに何人がワクチンを受ける必要があるのか」の人数になります。この数字は「テストの総数」を考慮したもので、実は学会や論文でも良く使われています。
次に、有効率は「発症した人」だけで計算されますので「発症しなかった人」がどうであったかは関係ありません。
「ワクチンを受けた時」に「発症した人」が減る割合が有効率ですので、逆に「ワクチンを受けなかった時」に「発症しない人」が減る割合を示す「無効率」というものを作ってみました。受けなかった時に「発症しない」というワクチンの効果が無効になってしまう率と言う意味です。
簡単には、有効率がワクチンを受けたときにどうなるか、無効率はワクチンを受けなかった時にどうなるかを示すと考えるとよいでしょう。以下により詳しく説明しますが、計算式は無視されてもまったくかまいません^^
まず、有効率はワクチンを受けた時、受けなかった時に比べてどのくらい「発症する率」を減らすかになります。つまり、受けた時に「発症するというデメリット」を減らす率であり、受けたときのメリットと考えてもいいでしょう。
計算式は{1−接種者の発症率÷非接種者の発症率}×100
逆に、ワクチンを受けなかった時、受けた場合に比べてどのくらい「発症しない率」を減らすかを「無効率」と定義します。つまり、受けなかった時に「発症しないというメリット」を減らす率であり、受けなかった時のデメリットと考えてもいいでしょう。
計算式は{1−非接種者の発症しない率÷接種者の発症しない率}×100
この無効率は計算式も言葉も私の創作です。私はウイルス学、ワクチン学の専門で疫学は詳しくありません。もし、疫学でこのような計算方法や用語があるのなら、ぜひ教えてください。専門家の意見も歓迎です!
(絶対リスク減少(率)=治療必要数の逆数が近いと思いますが、少し意味が異なり、無効率は「受けない場合」という考え方をベースにしています)
では、前回の4パターンでの有効率と無効率、治療(接種)必要数を計算してみます(図2)。
それぞれの言葉の意味をもう一度簡単にまとめておきます。
有効率:受けるとどのくらい発症率が減るか
無効率:受けないとどのくらい発症しない率が減ってしまうか
接種必要数:1人の発症を防ぐのに何人の接種が必要か
パターン①
ワクチンを受けた人、受けなかった人が10人ずつで、発症した人が、受けた人1人、受けなかった人10人の場合。
有効率{1−(1/10÷10/10)}×100=90(%)
無効率{1−(0/10÷9/10)}×100=100(%)
接種必要数{1÷(10/10−1/10)}=1.1(人)
パターン②
ワクチンを受けた人、受けなかった人が1万人ずつで、発症した人が、受けた人300人、受けなかった人3000人の場合。
有効率{1−(1/10000÷10/10000)}×100=90(%)
無効率{1−(7000/10000÷9700/10000)}×100=27.8(%)
接種必要数{1÷(3000/10000−300/10000)}=約3.7(人)
パターン③
ワクチンを受けた人、受けなかった人が1万人ずつで、発症した人が、受けた人1人、受けなかった人10人の場合。
有効率{1−(1/10000÷10/10000)}×100=90(%)
無効率{1−(9990/10000÷9999/10000)}×100=0.09(%)
接種必要数{1÷(10/10000−1/10000)}=約1111(人)
パターン④
ワクチンを受けた人、受けなかった人が1000万人ずつで、発症した人が、受けた人1人、受けなかった人10人の場合。
有効率{1−(1/10000000÷10/10000000)}×100=90(%)
無効率{1−(9999990/10000000÷9999999/10000000)}×100=0.00009(%)
接種必要数{1÷(10/10000000÷1/10000000)}=約1111111(人)
このように、同じ有効率90%でも無効率、治療(接種)必要数が全く違うことになります。
ワクチンの効果を示す時には、今回紹介した数値に限らず、受ける場合だけではなく、受けない場合のメリット・デメリットも出す必要があります。都合のいい数字だけ出すのは(ワクチンの推奨、反対のどちらであっても)フェアーとは言えません。
さらに、そのワクチンが本当に必要なのかを考えるためには、短期的な効果だけでなく、病気の重要度、効果の持続期間、副作用、年齢別リスクなど様々なことも考える必要があります。
予防接種法では、第二十三条に国等の責務として、国民が「正しい理解」するための知識の普及を図ることと明記されています(図3)。
『第二十三条 国は、国民が正しい理解の下に予防接種を受けるよう、予防接種に関する啓発及び知識の普及を図るものとする。』
つまり、一方的な情報だけを出すのは、明らかな法律違反になります。
「接種必要数」や「無効率」はワクチンの推奨、反対に関係のないフェアな指標です。これらの指標が広く認知されるだけで多くのワクチン問題が解決される可能性を秘めています。
新型コロナワクチンを国民全員分用意する前に、まずは、きちんとした情報が国民全員に行き届いてほしいと思います。
これまでに書いたコロナウイルス関連の記事は以下にまとめています。
どうぞよろしくお願いいたします。