東京テレビ「ワールドビジネスサテライト」に出演しました
昨晩、東京テレビ「ワールドビジネスサテライト」に出演しました。生出演ではなく、事前のZoom取材でした。
とても簡潔に編集していただいており、担当の方にも頑張っていただいたのですが、私のお話しした8割位はカットされています。
以下に補足します。
まず、ポビドンヨード(商品名イソジン)は・・・
①粘膜(口腔内も粘膜)にも使える唯一の消毒薬である
②効果は高くウイルスにも細菌にも効果がある
③使用すれば、今そこにいる(口腔内、唾液などの)ウイルス量を少なくする効果はあるが、一方で、粘膜を傷つけたり、常在菌に確実にダメージを与える。
次に、イソジンの効果を考える上で大切なことは・・・
①本来は、口腔内の常在菌(や唾液、粘膜)の方が、感染を防御しているし、腸内細菌のように、免疫の調節などのとてもたくさんの重要な役割を担っている
②新型コロナウイルスはACE2をもつ細胞にだけ感染する
③ACE2は気道では鼻腔、舌、(II型)肺胞細胞に多いので、口の中だけ消毒しても鼻や肺についたウイルスを減らすことはできない
④「ウイルスがいる」ことと「感染している」ことを明確に区別する必要がある・気道にウイルスがいるだけでは感染とは言わない・感染とはウイルスが細胞に入った状態である
⑤イソジンはウイルスがいるが、まだ感染していない段階では効果があると思われるが、すでに感染し細胞内に入ってしまったものには効かない。
以上から、
①感染しない為の予防としての使用は・・・
効果があるであろうが毎日行う必要があるため、常在菌のダメージが大きくなりすぎるのでデメリットが大きくお勧めできない。
②軽症者の重症化の予防としての使用は・・・
軽症であっても発症しているということは、すでにかなり前に感染している状態である。この段階で使っても効果は期待できない。つまり、軽症者の重症化の予防効果はないと思われる。
まとめると、「感染自体の予防」、「感染してからの重症化の予防」のいずれに対しても使うことはお勧めできない。