月刊「壮快」2018年12月号「腸内細菌が喜ぶ食事で腸内細菌を復活させよう」
健康雑誌の月刊「壮快」に「自然派医師が土をいじる。菌とたわむれる。」という記事を連載中です。
今月号(2018年12月号)は連載第12回目「腸内細菌が喜ぶ食事で腸内細菌を復活させよう」です。
世界の食をみると、暮らす国や地域により全く内容が異なります。現代のような流通がない時代は、自分の住む環境から得られるものしか食べられませんでした。しかし、それでもほとんどの人は健康に生きてきました。
例えば・・・
・私は動物性とくに四つ足動物の摂取をあまりお勧めしていませんが、イヌイットはかつて動物性食品100%(植物が育ちません)で皆元気に生活していました
・マサイ族は、これまた私がお勧めしていない牛乳を1日に数リットルも飲むそうですが、みな健康そうですね
・パプアニューギニアの高地に住む人たちは、食事のほとんどをタロイモという1種類のイモだけで済ませていましたが、みなプロレスラーのように筋骨たくましく、健康でした。
人類全体で遺伝子の99.6%は共通していますが、なぜ、健康的な食事にこんなにも多様性があるのでしょうか?
人は食べたもので出来ていますが、食事は病気や健康とは関係ないという意見が出てくるのも不思議ではなくなります。しかし、この意見はあまりに短絡的ですね。
人だけを考えていても答えは出ません。
つまり、ポイントは腸内細菌です。
人、一人ひとりは、たくさんの微生物と共存している生態系であり、人のすべての営みは、共存している微生物との関わり合いの中にあるのです。
人の細胞、消化、吸収、栄養、代謝・・・などの知識ももちろん重要ですが、それ以上に、共存している微生物との連携が大切なのです。
腸内細菌が元気であれば、粗食でもあらゆる栄養素を腸内細菌が補ってくれますし、少々の有害物も処理してくれます。
そして、普段食べている食事に合わせて腸内細菌が育っていくのです。イヌイットにはイヌイットの、マサイ族にはマサイ族の、パプアニューギニアの人はパプアニューギニアで元気に生活するための腸内細菌をそれぞれ持っているのです。
ですから、日本に住む日本人には、それに合った食事があります。また、日本には日本固有の微生物がおり、日本に住む生物を健康に育むためにあらゆる環境を調節してくれているのです。
つまり、日本で健康に暮らすためには、そのための腸内細菌を元気にすることが最も大切なのです。
今回の記事は、腸内細菌を元気にする食事を解説しています。
・日本の伝統食である和食
・なるべく添加物や加工食品をつかわない自然食
・まごわやさしい
これらに関しては新刊「自然に沿った子どもの暮らし・体・心のこと大全」にも詳しく書きましので、ぜひ合わせて参考にしてください。
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