微生物

微生物の排除が病気を作っていることが常識になる時代へ Vol.2

このブログでは腸および腸内細菌の状態が人の健康にとって最も大切であることを繰り返しお伝えしています。最近になって、腸内細菌叢(以下マイクロバイオータ=MBと表現します)の重要性について書かれた本や雑誌、テレビ番組などを頻繁に見かけるようになりました。   以前「あなたの体は9割が細菌」という本のレビュー記事を書きました。 微生物の排除が病気を作っていることが常識になる時代へ   今回は新たに「腸科学」という本が日本語訳で出ました。全体的に前回の「あなたの体は9割が細菌」と重なる内容が多いのですが、今回の「腸科学」では、著者の具体例を含めた食事についてもとても充実しています。 […]

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微生物の排除が病気を作っていることが常識になる時代へ

近所の本屋さんで「あなたの体は9割が細菌」という本が目に止まりましたので、早速購入してみました。簡単に概説し、私の意見を加えてみます。 ゲノムとは1つの生物の遺伝情報で、本体は細胞内のDNAです。 DNAは4種類の塩基(文字のようなものに相当)が並ぶことにより(配列が)、情報を伝える設計図になっています。 ヒトゲノムは30億塩基もの長さがあり、このすべての配列を解析したのがヒトゲノム・プロジェクトで、2003年に完了しました。 これにより当初は、病気のメカニズムのほとんどを解明できるとまで期待されていましたが、遺伝子の配列だけではほとんど何も分からないことがはっきりし、思ったほどの成果はありま […]

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腸内細菌と心の関係~人の感情も腸内細菌が決めている?~

今回は腸内細菌が心に及ぼす影響についてまとめます。 腸の状態が精神状態に影響するという考えは、決して新しいものではなく、100年以上前から言われています。 19~20世紀初頭では腸の老廃物や毒素が中毒を起こし、うつ、不安、精神病などを起こすと考え(いわゆる自家中毒)、下剤の投与や腹部手術まで行われることがありました。 しかし、腸と精神疾患との関連は、その後、否定的な報告が多くなされ、次第に、フロイトの心理神経症理論などに置き換えられていき、いったんは完全に下火になり、忘れ去られていました。 ごく最近になり、腸内細菌の働きや重要性が明らかになるにつれ、腸と心の関係が、精神医学の分野でも再び注目さ […]

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微生物の排除が現代病を引き起こすメカニズム~現代人は出生時から病気になりやすい状態になっている~

これまでの記事で、近年急増している現代病(アレルギー、自己免疫疾患、自閉症、さらには多くの慢性病)が寄生虫や微生物を排除していることが重要な原因であることを説明し、さらに産業革命以来の超長期的な視点からもそのことを確認してきました。 私たちは独立した一つの生命ではなく、人類の始まりからずっと長い間、腸内細菌などの常在菌や常在ウイルス、さらにかつては寄生虫などと供に生きてきた超個体(生態系)なのです。   私たちの身体の腸内や口の中、皮膚などは、これらの微生物がいることが正常な状態であり、適切に免疫をコントロールするためには、これらとの連携が必要であるため、微生物を排除することにより免疫の異常が […]

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自閉症と微生物の関係~自閉症の最も根本の原因も微生物の排除にある~

自閉症は、以下を特徴的な症状とする神経発達障害です。 ①人との関わりが難しい ②言葉の発達の遅れ ③反復あるいはこだわり行動 現在では、典型的な(古典的)自閉症以外の類似の疾患は自閉症スペクトラム障害としてまとめられています。 自閉症もアレルギーや自己免疫疾患と同じように、近年、恐ろしい勢いで増加し続けています。 自閉症は1943年に初めて報告されていますが、全米小児科学会の発表では、発生率は、1970年代は3300人に1人、2000年150人に1人、2009年100人に1人、2015年68人に1人になります。この傾向は日本を含む先進国で共通して見られます。 発生率の増加は「診断基準の変化や診 […]

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