地球における循環と微生物

前回の記事の続きになります。

より深く理解するために、地球における生命の循環を考えてみます。

 

地球上の生物のなかで自力でエネルギーを産生(光合成)できるのは植物だけです。

自らエネルギーを産生できない動物は植物を食べるか、植物を食べた動物を食べることで生きるためのエネルギーを得ています。

 

つまり、地球上のすべての生物は植物の作ったエネルギーを使って生きていることになります。

 

また、すべての植物は地球(土、水、無機物など)が変化したものです。

この部分は分かりにくいかもしれませんので、わかりやすい例を示し解説します。

これは、私が実際に農に携わっていた中での気付きで、大変感動したことです。

 

ポットの中に植物(野菜や花)の苗があります。

この苗を畑や花壇に植え変えないで、そのまま成長させるとどうなるでしょうか。

苗が成長するにしたがい、根が伸びていき土が減っていきます。

最終的にすべての土が根に置き換わります。

土がなくなると、植物はそれ以上生長できなくなり、やがては枯れてしまいます。

 

つまり、土(地球の一部:物質)が植物(生物)に変化した(形が変わった)ということになります。

 

この変化の橋渡しをしているのが微生物ということになります。

 

微生物は不要な生物(有機物)を分解し(いったん物質(地球)に戻す=リセット)、再び生物(植物)に変化するという地球の大きな循環のための要の役割を果たしていることになります。

 

ここまでをまとめます。

 

地球上のすべての生き物(人間を含む)は地球の形が変わったもの、つまり、地球の化身・分身・子ども(どのような表現でもいいですが)といえます。

 

ですから、地球を傷つけるすべての行為は回り回って我々自身を傷つける結果となるのです。

なぜなら、地球が我々の体を作る材料なのですから

 

また、忘れてはいけないことは、私たちの未来の子どもたちの材料でもあることです。「自然は未来の子孫から借りているもの」という言葉がありますが、まさにその通りです

 

また、微生物を必要以上に排除する行為も、この循環の要を壊し、地球の生態系(人を含む)に重大な影響を与えることになります。

 

環境(地球)および微生物を傷つける行為とはどのようなものでしょうか。

 

・戦争、公害、産業廃棄物、排気ガス、放射能

・農薬、化学肥料、除草剤、枯葉剤、防虫剤、防腐剤

・抗生剤、ワクチン、うがい薬

・台所・風呂・トイレ洗剤、石けん、漂白剤、柔軟剤、芳香剤、防虫剤

・歯磨き粉、入浴剤、様々な抗菌グッズ(トイレ、タイル、衣服、まな板、首から下げる物や服に貼るテープ…)

・食品添加物(化学調味料、保存料、防腐剤、発色剤、芳香剤)

 

現代文明のほとんどすべてに問題があるといってよいことになります。

実際に、これらのことが現代の病気を増やし続けている最大の要因なのです。

 

だからといって、私は決して原始的な生活を勧めているわけではありません。

 

自然流の生活とは、衣食住あらゆる面で、環境(地球)や微生物を傷つけない、自然に沿った生活を実践することなのです。

そのためには様々な工夫や知恵が必要になります。

 

化学物質などを使わない自然の素材を使って、すでに多くの工夫がなされており、その分野で活躍される方も増えてきております。

喜ばしいことですね。自然の素材を使ったものは地球環境やすべての生物にとってやさしいものになります。

 

以上、みてきたように、微生物は敵であるどころか、重要な役割を持っており、地球上のすべての存在にとっても必要なものになります。

 

農のところでも触れましたが、さらに微生物にはたくさんの大きな可能性があり、農、医療、環境の浄化、放射能除去、エネルギー対策など、これからの時代の問題解決のカギを握っています。

 

しばらくは微生物に関する記事を続けていきます。



関連記事

no image

水痘ワクチン定期接種に伴う帯状疱疹患者の激増と低年齢化について~ブースター効果の解説も~

最近、比較的若年者の帯状疱疹の患者さんが立て続けに来院されました。今回は、私が以前から強調している、今後予想される帯状疱疹患者の激増と低年齢化についてまとめました。合わせて質問の多い免疫のブースター効果についても解説しました   水ぼうそう(水痘)と帯状疱疹は全く同じウイルス(正式名称もまさに水痘・帯状疱疹ウイルスで、ヘルペスウイルスの仲間です)で起こります。   このウイルスの初めての感染は、水ぼうそうを発症します。水ぼうそうは、一般には軽い感染症で、かゆみのある発疹(水疱)が出る以外は、微熱ぐらいで数日から1週間ほどで治ります。   実は、この水ぼうそうのウイ […]

no image

断食と腸内細菌

断食は体を浄化する代表的な方法の一つとされています。断食をすることによりほとんどの病気が治るあるいは改善するという意見まであります。 実際に断食にはいろいろな効果が報告されています。例えば、 ①内臓(特に消化管や肝臓、腎臓、膵臓など)の機能回復 ②余分な脂肪、コレステロールなどを排出し、肥満やメタボの解消 ③毒物(化学物質、重金属、薬物)、老廃物の排出 ④免疫力の増強 断食によって、消化や吸収、その後の代謝や輸送などに使っているエネルギー(1日に使っている全エネルギーの20~30%程とされています)や酵素などを体の修復に回すことができると考えられます。 例えば、かぜなどの病気の時に、食欲がなく […]

no image

新型コロナウイルス感染症の軽症例と重症化を分ける免疫の仕組み(3/13) COVID-19⑧

新型コロナウイルスの記事をいくつか書いています。今までの記事のリンクを以下にまとめておきます。ぜひ合わせてご参照ください。 https://www.facebook.com/shinjiro.homma/posts/2638163739841962 今回の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、軽症のまま治ってしまうほとんどの人と、重症化する一部の人に分かれますが、初めは同じ風邪症状で経過し区別できません。では、何がこの違いに関係しているのでしょうか? 免疫力、抵抗力、解毒力などの一言に尽きるといえばそれまでですが、これらの表現はあまりに漠然としすぎており、かえって混乱を与えているよう […]

no image

アメリカで開始!日本でもやはり1日も早い大規模な抗体検査を希望します COVID-19⑯

これまでに書いた記事のまとめは以下を参照してください。 https://www.facebook.com/shinjiro.homma/posts/2641620056162997 ついに、アメリカでは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の抗体検査が始まります。 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57960600R10C20A4MM8000/?fbclid=IwAR2cfxSj8Sfh5xP6IlHt8axygx_mA-4mLKQ0EaykH9sffe2JjXYKdgxWkCA トランプ米大統領は10日の記者会見で、米国のCOVID-19感染によ […]

no image

私が参考にしている発達障害に関係する本の紹介

昨日、自閉症や発達障害の根本原因が腸および腸内細菌であり、そこを改善することにより予防、治療が可能であるという記事を書きました。 本日は昨日の記事の補足で、私が参考にしている発達障害に関係する本を紹介いたします。すべて一般書で難しい論文などを集めたものではなく、一般の人も読めるものばかりです。 実際に発達障害を持つご両親やご家族の方だけではなく、教育関係者、行政機関の方、発達や療育に関わる方々や医師など医療関係者にも読んでいただきたいと思います。 既にたくさんの書籍がありますので、重要と思われるものから並べますが、一つでも二つでも実際に手に取り、読まれる事をお勧めします。 発達障害は、薬を飲む […]

PageTop