微生物の役割
最近のテレビのコマーシャルなどに見られるように、現代生活には様々な抗菌グッズがあふれています。
細菌などの微生物が1つもいないことが、正しいことで、健康にとっても良いという考えがまかりとおっています。
つまり、微生物は基本的に悪いもので、なるべく排除しようという考えです。
ワクチン接種に関してもこのような考え方がベースにあるかもしれません。
私は、これらの考えはとても短絡的で危険だと考えています。
「基本的には抗菌グッズはそもそも不自然なものですから、健康にとって良くない」ということになります。実にシンプルで難しい理論や理屈は必要ありません。
しかし、これだけでは納得できない人も多いかもしれませんので、いつものように詳しくみていきます。
確かに微生物には人に病気を引き起こすものがあり、それらに対する対策や処置・治療などが必要となることがあります。
ワクチンの記事で述べたように、歴史的には、上下水道の整備などの基本的な衛生管理は、伝染病や致死性を含む重篤な感染症の予防、死亡率の減少にもっとも貢献してきました。
また、抗生剤が多くの重症な感染症から無数の命を救ってきたことも間違いありません。
最近、日常生活において急増している抗菌グッズなど、あまりにも行き過ぎた清潔志向は、明らかに我々に健康障害を引き起こします。
それ以外にも、微生物を攻撃することによって引き起こされる健康障害としてどのようなことが当てはまるかというと…
・必要もないカゼなどに「念のため」、「一応」などと安易に抗生剤、うがい薬などを使用する
・軽症な疾患に対しても、何でもワクチンで予防しようと考える
・畜産の分野で、「利益・効率優先」のために大量に抗生剤を使用する
手術を行う人や、食べ物を扱う人など、通常より厳重な感染対策が必要な人もいます。
しかし、一般の人までもが微生物を目の敵にし、除菌を徹底し、(常在)菌が全くいない状態を目指すのは異常な状態だといえます。
なぜなら我々は微生物(通常は常在菌)に外側(皮膚)も内側(腸内や気道内)も囲まれていることこそが健康で健全な状態だからです。
これからの記事に示していくように、このことはとても重要で、微生物を必要以上に排除していることが、私たちの健康を損なっている最も重要な要因となっています。
西洋医学では病気を引き起こす原因となる微生物は敵と考えます。
ですから、敵を倒すために薬(抗生剤や抗ウイルス薬)やワクチン(細菌やウイルスの排除)を開発、使用することになります。
しかし、微生物は本当に敵なのでしょうか?
微生物は本当は何のために存在しているのでしょうか?
何度も繰り返しましたがこの世界に存在するすべての物には意味があります。
微生物にも重要な意味(存在理由)があります。微生物の存在理由を以下にまとめてみました。
1. この世界で不用のもの(不自然なもの、死んだもの、病気のもの、傷んだもの)を分解(リセット)する
ここで重要なことは、農のところでも述べましたが、微生物は不自然なものや役割を終えたものなどを優先的に分解するのであって、健康なものや自然に沿ったものには基本的に害を与えないと考えられます。
2. 有機物を分解する過程で様々な物の浄化をしている(化学物質、農薬、除草剤、肥料、公害、洗剤、添加物、防腐剤、放射能…)
化学物質などの毒が少量であれば、微生物が分解してくれますが、後で示す通りに、現代社会は毒にまみれており、許容範囲をはるかに超えていると考えられます。
3. 有機物を分解し、植物に養分を供給する
つまり、微生物は地球の大きな循環(分解と創造)の要であり、なくてはならない存在なのです。
長いので次に続きます。