インフルエンザの流行の拡大は規則上の問題が大きい

〜インフルエンザの流行の拡大は規則上の問題が大きい〜

昨日記事を出す予定でしたが、様々な事情により1日遅れました^^
最近出したインフルエンザの記事は以下をご参照ください。
「インフルエンザはただのかぜ、ワクチンや病院の受診は不要」
https://www.facebook.com/shinjiro.homma/posts/2305267673131572
「インフルエンザの流行を防ぐ最大の対策は自宅待機」
https://www.facebook.com/shinjiro.homma/posts/2305907309734275

先日の記事では、インフルエンザに対して、すぐに病院を受診して検査を勧めるという現在の行政指導、マスコミの報道、園・学校・職場の対応、患者自身や家族が行っている対応が逆に流行を拡大させている原因であるという指摘をしました。

そして本当に効果のある対策は何よりも「自宅待機」であることを伝えました。つまり、当たり前の事を当たり前にするのが最も有効な対策になります。

では、なぜ患者本人や家族、園・学校・職場がこのように単純で有効な行動をとれないかなのですが、もちろんそれぞれの事情や決まりがあるからです。

まず、インフルエンザの対策を考える上で基本となる法律があります。感染症全般に対しては「感染症予防法」、園や学校での管理については「学校保険安全法」、職場では「労働安全衛生法」です。実際にはこれらの法律を基に対策やマニュアルが作られているということになります。

インフルエンザには季節性インフルエンザ(通常のインフルエンザ)と新型インフルエンザがあり、感染症予防法では届け出義務や管理法が全く異なります。一般の医療機関(診療所や病院)で季節性と新型を検査で区別する事はできませんので、今回の記事は季節性インフルエンザについてだけ解説しています。

学校では校長に出席停止、臨時休業(学級閉鎖、学年閉鎖、学校閉鎖)を決める権限があります。この根拠が学校保険安全法ですが、そのために診断書や治癒証明書が必要になります。

最大のポイントは出席停止は(病院を受診して診断され治癒証明書をもらうと)欠席の扱いにならないことです。感染症を管理する為に学校が生徒に休んでもらうという形になるからです。一方、生徒が自主的に休む場合(インフルエンザの診断をしてもらわない場合)は欠席扱いになります。

職場では社長やそれに変わる管理者に権限がありますが、法律的根拠である労働安全衛生法にはインフルエンザに関する決まりがありません。ですから、それぞれの職場で個別に就業規則や業務命令という形で対処しています。

本人が自主的に休む場合は欠勤(給与なし)か有給休暇になることが多いです。職場が休ませる場合に給与を補填するかどうかは就業規則により様々です。

様々な決定をするのに相談するのが、学校(校長)では学校医、職場の管理者では産業医になりますが、他にも地域の医師、医師会、保健所、自治体(市町村)などが複雑に関係しています。

いずれの場合も診断書や治癒証明書を出せるのは医師だけですが、ここで先日の記事のように医師の診断の根拠になる検査の不確実性が問題になります(検査の間違いがとても多いということです)。

以上を踏まえて、患者本人や家族、園・学校・職場が有効な行動をとれずに毎年インフルエンザが流行する理由をまとめます。
①インフルエンザについての基本的な知識(つまり行政指導やマスコミの情報)が間違っている。
皆しているから正しいという法則は一つもありません。皆しているのに流行を防げないのなら、皆していることがおかしいのです。
②上記のような法律や決まり事がたくさんあり、それぞれの立場でガチガチになっているという背景がある
③社会全体に(良い悪いではなく)皆に合わせなければならないという同調圧力が働いている

まずは、これまでに書いたインフルエンザについての基本的な知識の確認です。
・ワクチンに感染予防効果はほとんどなく重症化の予防効果もない
・治療薬は症状を取る効果も重症化を防ぐ効果もほとんどなく副作用が強い
・検査は間違いが多いため感染の管理に使用してはいけない
・病院や薬局、園・学校・職場で移し合い流行を拡大させている
・つまりインフルエンザで早期に病院を受診する、受診させるのは間違い

それでは患者や家族、園・学校・職場の具体的な対応の仕方について説明します(あくまで私の私見です)。

①患者や家族
患者やその家族は、感染が疑わしい症状(主に発熱やかぜ症状)があるときは原因のいかんを問わずに自主的に休み自宅で待機しましょう。まずは、この事を徹底するだけで、インフルエンザを含めほとんどの感染症は流行の拡大を防ぐ事ができます。

(自分がいないと)他の人に迷惑がかかる、仕事を休めない、共働きである、給与が減る、子どもは欠席扱いになる・・・など様々な事情はあるのですが、まずは人に感染を移す事を防ぐ事を最優先にしなければなりません。

とくにお子さんが辛い症状を訴えている時は、いち早く病院を受診したくなる気持ちはとてもよくわかります。しかし、病院を早くに受診したり、薬を早くに飲んでもインフルエンザの経過にはほとんど違いはなく、重症化(脳炎脳症)も防げませんので、すぐに病院を受診したり、薬を飲ませる必要はないのです。自宅で十分にケアしてあげることがもっとも大切です。

もちろん、症状が重い場合(水分が摂れない、機嫌が悪い、ぐったりしている、眠りがち、うわごと、異常行動など意識の異常があるなど)や長く続く場合は遠慮なく病院を受診しましょう(最も心配な脳炎脳症については後日記事にします)。

学校や職場から病院の受診を勧められた場合の対応が一番問題になります。まず学校側は制度上(数の把握や臨時休校、出席停止を決めるため)そのようにしていることを理解してください。ですから制度が改まらない限りはいかんともし難い状態です(下記の学校での対応のところに解決のヒントは書きます)。

それでも受診しない(最も賢明な選択でしょう)場合は、受診しない理由をきちんと学校側に説明しましょう。この場合、学校の対応にもよりますが、今の制度では欠席の扱いになると思います。しかし、人や社会に迷惑をかけてまで得る皆勤や内申書に意味があるとは思えません。
どうしても感染の確認をしたい場合は、発熱後24時間が経過してから受診します。診察の時以外は院外の車で待つなどの対応をしましょう。

自宅で簡単に診断できるようなキットなどがあればとても役に立つと思います。このような事にこそ技術の発達やお金を掛けるべきだと思いますが・・・

②学校や職場の管理者の方へ対応の提案(お願い)

多くの学校や職場では、生徒や職員にインフルエンザが発生した場合の対応のマニュアルがあると思います。これは上記に書いたような決まりや制度を背景に作られています。

しかし、毎年流行を防げていないという事は、マニュアルが機能していないということです。マニュアルに従っていれば、責任は問われないかも知れませんが、子ども達や職員、さらに社会の為にはなっていないということです。ぜひマニュアルを見直す、あるいは見直す為の話し合いをすることをお勧めします。

ポイントは、流行期にはインフルエンザとかぜを区別する対応では感染の拡大を防げないことです。インフルエンザは人に移してはいけなくてかぜはいいわけはありません。そして、インフルエンザでもかぜでも感染の拡大を防ぐ為に休ませるのなら、区別せずに同じ対応(出席停止、臨時休校、給与などの補償など)をしていただきたいと思います。

・流行期は熱などの感染症の症状があるときは原因のいかんを問わずにすぐに帰宅させてください
・とくに発熱後すぐの受診を勧めてはいけません。もし病院の受診を進める場合は状態が悪くなければ「発熱後24時間以上経ってから」と正確な知識を伝えてください。
・とくに学校関係者に対してですが、流行期はインフルエンザとかぜを区別せずに、かぜ症候群(あるいはインフルエンザ疑い)としてまとめ、発生状況により臨時休校(学級閉鎖、学年閉鎖、学校閉鎖)や出席停止を決めるのがいいと思います。
・職場の場合も、流行期はインフルエンザでもかぜでも区別せずに、どのように休ませたり、補償するのかをあらかじめ就業規則などに明記しておくのがいいでしょう。

このようにみると、毎年のインフルエンザの流行の拡大は知識の不足に加え、制度上の問題が大きい事がわかります。ただ批判するだけでは建設的な話し合いにはなりません。まずは問題の背景を理解する必要があります。なによりも子どもたちの健康や安全の視点から決まりごとを考える社会であってほしいと思います。

今回の記事は医師や病院の対応をあえて書きませんでした、次回の記事はこの面を解説します。

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