自然農 その1
自然に沿っていれば病気にならないというのが私の基本的な考えです。
この考え方をベースに自然農、自然食、自然療法、自然分娩、自然に沿った暮らしなど「自然派の生活」をお勧めしています。
特に食べ物は人が健康に生きていくために最も基本となることです。
その食べ物を作るのが農ですが、現代農業は医療と同様に様々な問題を抱えています。
農薬、除草剤、抗生剤、化学肥料、一部の有機肥料、遺伝子組み換え食物、放射能など。
さらには、身土不二との関係、様々な器械や輸送などのエネルギーの問題、経済的な問題、継承者の問題などなどです。
安全で安心な食べ物を得るために、オーガニックや自然食料品のお店やレストラン、カフェなどを利用している人も多いかもしれません。
健康ブームもあり、最近増えてきたとはいえ、多くの人が利用するには野菜の生産量もこれらのお店もまだまだ少ないですし、自然食を続けるにも経済的負担が大きくなるのが現状です。
現代は食べ物という最も大事なものさえも人任せにしています。
ですから、農作物は農薬、除草剤、肥料、防腐剤など、さらに食品は保存料、添加物などにまみれています。
これは、農業に限ったことではなく、現代社会のいたるところにも見られることです。
例えば、医療や教育、エネルギー(原発・電気)などの諸問題も「人任せ」という一種の責任逃れが根底にあるように感じています。
私は、自分や家族が食べるだけでも可能な限り自給自足できないものかと考えて農を始めてみました。
実際に作物を育ててみることで、安全な作物を得るのはもちろんですが、頭の中の理論だけではなく、様々なことが実感として見えてくるように感じたためでもあります。
今年で5年目に入りました。農作業も慣れが必要で、以前の3分の1程度の時間で作業が終わらせられるようになってきました。
現在、お米は市内の数家族で共同で田んぼをお借りして作っています。
畑は基本的には毎日見に行きたいので、診療所の裏に約100
坪(300m2)の土地をお借りし、自然農により作物を育てています。
一部は我が家で出た野菜などの残渣をEMぼかしで発酵させたものを肥料にして有機農を併用しています。もちろん農薬の類は一切使用していません。
最終的にはすべての作物を自然農で作りたいのですが、作物によっては難しいものもあり、まだまだこれから工夫が必要そうです。
現在は1年を通して、野菜を約40種類、麦類として小麦あるいは大麦、雑穀6種類(ヒエ、もちアワ、もちキビ、たかきキビ、ハトムギ、アマランサス)、大豆、小豆さらに野草やハーブ類約40種類を作っています。
基本的には苗を買ってくることはしないで、在来種の種から苗を育てるか、直播にしています。
すべての種を自家採取していくことを目標にしています。
早起きなど大変なことも多いですが、外での作業は気持ちのいいものです。実際に作物を自分で作ることで得られることはたくさんあります。例えば、
・自然に直に接することができます。
・子どもの成長をみるように、作物が育つことをみること自体に喜びを感じます。
・農の大変さ、農家の方の苦労を知り、また、食べ物のありがたさを実感します。
・微生物など自然のしくみに感動し、たくさんの気づきが得られます。
・安全・安心で旬のおいしい作物が得られます。
すべてはつながっているため、農のありかたは私たちの健康とも密接に関連しています。
このブログでは、農(主に自然農)について、およびそれを通じて見えてきたこと、感じたこと、考えたことなどにも触れていきます。