帯状疱疹の激増と低年齢化はブースター効果の減少による

まず、免疫についての基本的な知識のおさらいになります。免疫とは、もともとは、一度感染した病原体(ウイルスや細菌など)に二度とかからないことを言います。例えば、一度はしか(麻疹)に感染すると、二度とはしか(麻疹)にかからないことをはしか(麻疹)に対する免疫ができたと表現します(二度なし現象)。

病原体に感染した場合に免疫がつく強さは、病原体がどの程度、体に影響を与えたかで決まります。強く体を蝕む感染症に対しては、当然強い免疫をつけて次の感染に備えるということです。

例えば、かぜを起こすウイルスに対する免疫のつき方を解説すると・・・
①軽いのどの症状だけで済む場合(のどの一部だけの影響)
②さらに発熱、頭痛、食欲低下、筋肉痛、全身けん怠感などを伴う場合(全身に影響)
③さらに重症肺炎や脳炎のように重篤の場合(生命に影響)
この場合、回復した後には①よりも②、②よりも③の場合の方が強い免疫がつくということです。

ワクチン接種は、症状が出ないくらいまでに弱めたウイルスや細菌(生ワクチン)、さらには死んだ病原体やその一部(不活化ワクチン、トキソイド)を使いますので、ワクチン接種によりつく免疫は自然感染に比べてとても弱くなります。

これはワクチンの宿命といえます。ワクチンによりつく免疫はとても弱いので、ワクチンには免疫を増強する添加物(アジュバント:アルミニウムやスクワレン、毒素など)が入っていますし、1回の接種ではなく追加接種(3回+1回、その後さらに追加など)が行われている理由になります。

今までの常識では、自然感染では強い免疫ができるので、一度の感染で一生の免疫がつくと考えられています。しかし、実際は自然感染でも免疫が長く続かないものが多いのかもしれないということです(ましてや予防接種ではすぐに免疫が切れてしまいます)。

自然感染でも時間とともに免疫が低下していきますが、この免疫を切れないように維持しているのがブースター効果になります。

ブースター効果とは、一度感染して覚えた病原体に対しては、二度目以降に病原体に触れた際、初めて感染したときよりも早く、強く反応して、症状がでないまま身体を防御できる仕組みのことです。

つまり、一度感染し発症した人(免疫のある人)にとっては、その後周りで発症者が出たり、流行が起こった方がブースター効果が加わり都合がいいのです。

現在、ワクチンで予防できる病気にVPD(Vaccine-preventable diseases:ワクチンで予防できる病気)という名前まで付けて、どんな軽い感染症でも防げるものは防ぐことがいいとされています。

しかし、症状の軽い感染症にまで(ほぼ全国民に)ワクチン接種を徹底すること(予防接種の定期化と同義です=定期接種になればほぼ自動的にほとんどの人が受ける)の本当の弊害は、ブースター効果が得られなくなることにあると考えられます。

ここで言う私の考える症状の軽い感染症とは風疹、ムンプス(おたふく)、水痘(水ぼうそう)ロタなどになります。

麻疹(はしか)、風疹、ムンプス(おたふく)、水痘(水ぼうそう)は一般に、かかる年齢が小さければ小さい程、症状も軽いですし、様々な合併症(よくいわれる難聴、睾丸炎など)の頻度も低くなります。

このような軽い感染症は、今までは小さいうちにかかって強い免疫がつき、さらに周りで発症するたびにブースター効果をもらうことで一生の免疫を維持できていたというのが免疫(二度なし)の本質だったのです。

これらの本来予防する必要がないと考えられる軽い感染症に対するワクチン接種の徹底により、今現在、実際に起きている顕著な弊害は以下の2つになります。
①水痘(水ぼうそう)ワクチンによる帯状疱疹の激増と低年齢化
②風疹ワクチンによる先天風疹症候群の増加

子どものころに、ほぼ全員が自然感染し、その後周りで流行するたびにブースター効果を得られていれば、免疫が切れることなく、こんなに早く帯状疱疹を発症したり、妊娠初期に風疹に感染することはないということです。

先天風疹症候群を心配される方は、妊娠可能な年齢になるまで風疹に感染していない女性に限って、自主的にワクチンを打つような制度にすればいいのではないでしょうか。男性がワクチンを打たなければ、国民全体が十分にブースター効果を得られると思います。

解説は省きますが、他のワクチン接種でもほぼ同様の現象が起きていると思われます。

ワクチン以外のあらゆることに通じますが、親が子どもが経験するあらゆる困難を先回りして防ぐことが強い子を育てることになるでしょうか?
今一度ワクチンを受ける前に、これらのことも良く考えてみることをお勧めします。

以前に書いた以下の記事も参考にしてください。
https://www.facebook.com/shinjiro.homma/posts/2104127876578887

私の本もぜひ参照にしてください。
https://www.amazon.co.jp/dp/4479784349/

関連記事

no image

新型コロナウイルスの臨床的特徴(2/22の時点) COVID-19②

先日(2/21)、現在日本で流行しつつある新型コロナウイルス(COVID-19)について、まず大切になる最も重要な情報を簡潔にまとめました。 https://www.facebook.com/shinjiro.homma/posts/2622431101415226 今回は新型コロナウイルスのウイルス学的な特徴を書こうと思ったのですが、専門的な話よりも、まずは大まかな臨床的な特徴を現時点で分かっている範囲でまとめて記事にしました。以下の点に注意してください。 ・新しく出現したウイルスですので、不明な点が多い ・現在進行中の感染症なので最終的な結論ではない ・特定の報告からではなく、多くの情報元 […]

no image

抗体検査が新型コロナウイルスによるあらゆる混乱を収める!? (COVID-19⑫)

今回は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の現在の診断方法(PCR法)とは別の検査方法である抗体検査について記事にします。   今後、国や自治体による緊急事態宣言や都市封鎖などにより通勤や登校、外出、イベントなどのあらゆる活動の大きな制限が行われると思います。   これらは、感染者の増加スピードを遅らせて医療崩壊を防ぐ手段の一つにはなります。しかし、効果は一時的で、今後の市中感染の拡大(大規模の流行)は防ぐことはできず、その後の生活全般への長期的な制限につながっていくと思われます。   国民全体が必要な社会活動を行えるような対策を明確に示すための情報が不 […]

no image

ワクチンの問題点 その3ワクチンに対する情報(効果や副作用)が正確に伝わっていない⑤

前回までは、「ワクチンのメリット(効果)」についてまとめてきましたが、今回は「デメリット(副作用)」について説明します。 2副作用が過小評価されている 当ブログでは副反応と副作用の用語を区別せず、一般に分かり易い「副作用」という言葉で統一しています。 ワクチンは劇薬に指定されており、あらゆる薬剤と同様に副作用があります。 副作用には軽症から重症まで様々なものがありますが、最悪の場合は死亡する場合もあります。 接種後早期の、ワクチンとの関連が分かりやすい反応には、 発熱、接種部の発赤・腫脹、下痢、嘔吐、じんましん、アナフィラキシーショック、死亡 などがあります。 これらは、比較的頻度も高いものが […]

no image

ワクチンの問題点 その3 ワクチンに対する情報(効果や副作用)が正確に伝わっていない②

前回の続きでワクチンの効果が過大に評価されている例を見て行きましょう。   ② ワクチンに感染防止効果がないのに効果があるとされている インフルエンザ、BCG(肺結核予防効果はない)   図12 2歳以下でのインフルエンザワクチンの効果(51論文 26万人以上のまとめ) 有効率 0% 図13 年長児でのインフルエンザワクチンの効果(64論文 40年以上のまとめ) 有効率 全くないかほとんどない 注 一般に疫学調査は期間が長ければ長いほど、人数が多ければ多いほど正確なデータとなります。   図14 BCGの肺結核、腺結核予防効果 有効率 0% 図15 0-2.5歳でのBCGの結核予防効 […]

no image

夜泣きのメカニズム

昨日出した夜泣きの記事の続き(夜泣きのメカニズムと腸内細菌の関係)になります。 おさらいになりますが、夜泣きとは、乳幼児が夜にはっきりとした原因がないのに泣くことを言います。 夜泣きは個人差が大きく、夜泣きが強い子を持つご両親の苦労はとってもとっても大変で、疲労困憊しノイローゼになるのも珍しくありません。 夜泣きの原因にはとてもたくさんのものが想定されています。中にはまったく原因がわからないものもたくさんありますが、よく言われる原因としては以下のものが挙げられます。 ・昼間の興奮 イベント、疲れ過ぎ、刺激的な体験 ・寝る環境 室内、明るさ、温度、衣服、布団の状態 ・ミルク不足 ・乳歯、両足のム […]

PageTop