自然派医師のブログ

ワクチンの有効率とは

ファイザー社の新型コロナウイルスワクチンの第3相試験の中間結果が出ており、有効率90%だそうです。詳しい数字のデータは明らかになっていません。 皆さまはワクチンの有効率90%と聞いてどのような印象を持たれるでしょうか? 100人ワクチンを受けると90人の発症が防げるというのが一般的なイメージになるのではないでしょうか(図1)。 しかし、ワクチンの有効率という科学的な定義は全く違います。 ワクチン学での有効率とは、ワクチンを受けた場合、受けなかった時と比べて発症をどのくらいの割合で減らすかになります。 わかりにくいので、例を図2に挙げて説明します。文章だけでは難しいので、ぜひ図も見てください。 […]

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感染症の流行の解釈とCOVID-19の陽性率

感染症の一つの流行は、多くの場合、正規分布のような発生を示し、この一つの山を波と表現します。初めての波が第1波、2番目の波が第2波(・・・以下同様)になります(図1-①)。 横が経過時間(通常は日数)、高さが発生した人数(陽性数)になります。 頂点をピークと言い、流行がピークを超え、発生が増加から減少に移ることをピークアウトと言います。ピークの高さとピークまでの時間(つまり、ピークアウトまでの経過)で一回の流行のだいたいの規模がわかります。 ピークまでの期間は流行が拡大している期間、ピークを経過した後は流行が収束に向かっている期間になります。図の上り坂や下り坂が急であれば感染の拡大や収束(おさ […]

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検査陽性率の検討とCOVID-19の世界の現状(2020年10月末時点)

前回の記事で、現在第2波が来ているとされる西欧の解析のデータを示しました。要点は以下になります。・現在、欧州ではCOVID-19の第2波が来ているのは確実である・死亡数の増加はその程度も含めて陽性数ではなく陽性率(陽性者数/全検査数)の増加に一致して推移している。https://www.facebook.com/shinjiro.homma/posts/2852586808399653 今回の記事は、世界の主要な80カ国のデータをまとめ、流行の現在のトレンドを概観し、陽性率と死亡率の関係も検討しました。 解析した80カ国のリストを図1に示します。この80カ国は、前回(7/22)に解析したものと […]

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西欧のCOVID-19の第2波は本当か?

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第2派が現在、西欧に来ているとされており、いくつかの国が2回目のロックダウンに入ろうとしています。 今回の記事は、以前から紹介しているデータの解析により、現在の西欧の現状をまとめました。 解析の結果を紹介する前に、今まで私が出してきた記事からわかることをまとめておきます。長いのですが、重要なこともたくさん書いていますので、ぜひリンク先も参照してください。・一つの流行は一時的には収束するが、患者の発生がなくなることはなく、第2波、第3波・・・はいつ来てもおかしくない・流行の第1波と第2波では(PCRの)検査基準などが大きく異なるため単純に数を比較でき […]

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免疫のとても簡単なまとめシリーズ⑤『免疫は「働く」ことと「調節できる」ことの両方が大切』

シリーズで、できるだけだれにでも分かるように免疫の解説をしております。いままでの記事を読んでいただくと理解が深まります。https://www.facebook.com/shinjiro.homma/posts/2805909419734059 免疫は「働く」ことと「調節できる」ことの両方が大切です。あまり指摘されないのですが、非常に重要な部分になります。よく使われる「免疫力を上げる」という言葉ですが、本来は「免疫を調節する能力を上げること」とも言えるのです。 以下にわかりやすく解説してみます。 免疫が「働く」とは「異物を排除すること」になります。免疫の「調節」とは「免疫反応をいつ始めるのか、 […]

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