自然派医師のブログ
PCR検査の問題点を指摘して、検査は当てにならない、意味がないなどと短絡的に結論を出している情報を見かけます。 検査にはそれぞれの特徴があり、必ずメリットとデメリットがありますが、一部の欠点があるから、検査自体が全く当てにならないというのは「思考停止」になります。 今回の記事はPCR検査の何が問題でどのように考えればいいのかの要点をわかりやすくまとめてみます。 まず、あらゆる検査を理解するために避けては通れない「検査の精度」について解説します。今回は専門用語()がわからなくても理解できる様に説明してみます。 検査の精度とは主に次の2点です。①もれなく見つけること(感度)②間違いなく見つけること […]
続きを読む新型コロナウイルスでは「検査の陽性者」を「感染者」として報道されていることがほとんどで、これはとてもとても重大な問題です。報道機関をはじめ、医師や専門家がこのことを指摘しないことはそれ以上に問題と言っていいでしょう。 今回の記事はこれらをわかりやすく、明解に説明します。 ①検査陽性とはCOVID-19では、途上国を含め、すべての国で検査はPCR検査によるものがほとんどですので、ここではPCR検査陽性のことを解説します。 PCR検査陽性とはPCR検査でウイルスが検出されたことを意味します。PCR法は何を検出しているのかというと、ウイルス遺伝子(コロナウイルスRNA)の断片(全遺伝子=ゲノムのごく […]
続きを読む情報には自分の意見に都合の良い部分(国など)のデータだけでまとめて簡単に結論づけているものがとても多くなっていると感じます。新聞やテレビ、ネットだけでなく医学論文であっても同様ですので、情報の解釈、活用には注意が必要になります。 今回の記事は、情報の得られる全世界208カ国すべてのデータから第2波について検査陽性数と陽性率、さらに死亡数との関係をまとめました。まず、いままでの私の記事からわかることを確認しておきます。 ・検査陽性と感染者を明確に区別する必要がある・流行は収まるが陽性者が完全に無くなることはなく、少数の陽性者が出る「くすぶりの状態」がこれからも続いていく・検査数が増えれば陽性者数 […]
続きを読む昨晩、東京テレビ「ワールドビジネスサテライト」に出演しました。生出演ではなく、事前のZoom取材でした。 とても簡潔に編集していただいており、担当の方にも頑張っていただいたのですが、私のお話しした8割位はカットされています。 以下に補足します。 まず、ポビドンヨード(商品名イソジン)は・・・ ①粘膜(口腔内も粘膜)にも使える唯一の消毒薬である ②効果は高くウイルスにも細菌にも効果がある ③使用すれば、今そこにいる(口腔内、唾液などの)ウイルス量を少なくする効果はあるが、一方で、粘膜を傷つけたり、常在菌に確実にダメージを与える。 次に、イソジンの効果を考える上で大切なことは・・・ ①本来は、口腔 […]
続きを読む前回の記事でも書きましたが、日本や狭い範囲のデータを見ているだけでは、偏った考えや結論になります。 5大陸の世界各地(アジア、中東、西欧、東欧、北アメリカ、南アメリカ、アフリカ、オセアニア)の主要な80の国と地域(以下80カ国)のデータをまとめました。まとめた80カ国のリストを図1に示します。 ちなみに現時点でのCovid-19の流行の大まかの傾向は以下のようになっています(図2)。 アジア 一部で感染拡大中 中東 感染拡大中 西欧 第1波の収束中 東欧 感染拡大中 北アメリカ 第1波の収束中 南アメリカ 感染拡大中 アフリカ 感染拡大中 オセアニア 第1波収束後 80カ国中では、未だ感染が拡 […]
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