月刊「壮快」2019年1月号記事「日本人の腸内細菌が喜ぶ“七つの食事の基本”」

健康雑誌の月刊「壮快」に「自然派医師が土をいじる。菌とたわむれる。」という記事を連載中です。

今月号(2019年1月号)は連載第13回目「日本人の腸内細菌が喜ぶ“七つの食事の基本”」です。

前回の記事は、腸内細菌を元気にする食事として①和食と自然食②「まごわやさしい」について解説しました。

今回の記事は、前回の続きで、私の考える以下の食事の7原則についてです。
①少食②身土不二(地産地消で旬のもの)③一物全体④食物繊維を摂る⑤発酵食品を摂る⑥良く噛む⑦楽しく食べる

「何を食べるか」とは、自分の体(正確には心身)の材料をこの世界のどこからもってくるかということと自分がどのように生きているか(この世界にアプローチしているか)の表現です。

私の講義に来ていただいた人や本を読んでいただいている人は、以下のことはすぐに理解できると思います。

地球上のすべての生物の体(物質的なもの)は地球からできています。すべての生物の心(精神的なもの)も無意識のずっと奥は地球の集合無意識と繋がっています。つまり、物質的にも精神的にも地球上には地球という巨大な生命しかいないということです。

より正確には、宇宙には宇宙という巨大な生命一つしかなく、すべての生物(人を含む)も非生物も同じ宇宙から分かれた一部(分身)ということになります。

この世界がすべて同じ生命(人によっては宇宙とも自然とも神とも言う)の一部であるという観点からは、何を食べてもいい(全ては自分と同じものの一部)というのが究極的な答えになります。

さて、健康であるという一点だけを考えたら、現代社会ではかなりの工夫が必要ですが、何を食べても健康でいられることは可能です(ただし腸内細菌が元気であればですが・・・)。

では、なぜ私が「このような食事がいい」「これは控えた方がいい」という指導をしているのかの理由は以下になります。

私がお勧めしている食事は、もちろん健康にいいことでもありますが、それ以上に、すべての生物、環境、地球にいいことでもあることが大切と考えているからです。そのような生活をする人は、本来は病気にならないし、病気の人も多くが改善します。

つまり、何を食べても健康でいられるのなら、自分にもすべての生物にも環境にもいいものを食べましょう、それにより健康を含めてすべてが良くなりますというのが私のお勧めする食事になります。

ただし、これは原則であり、現代社会は原則だけではうまく行かないことも多いのです。原則が原則通りに行かない主な理由を挙げます。

①すでに腸内細菌がダメージを受けているから
・腸内細菌が元気であれば、すべての栄養素を補ってくれるし、多少の毒物は排除してくれる
・現代生活は出生直後から徹底的に腸内細菌を痛め続けている

②農作物の栄養価が激減しているから
・慣行農法に問題がある 農薬は明らかだが化学肥料もものすごく悪い
・これも究極的には土の微生物がダメージを受けているから作物に養分を供給できないためである

③明らかな毒物が多いから
・食品添加物、人工甘味料、加工食品、遺伝子組み換え食品、抗生剤、ホルモン剤、塩素、フッ素、放射能、重金属、あらゆる抗菌グッズ(滅菌・除菌・抗菌)、あらゆる化学物質など
・これらは化学物質としての毒性に加え、やはり、微生物にダメージを与えるものでもある

④他にも食べ過ぎ、解毒機能の低下、運動不足、ストレスなども大切です

ですから、現代人が健康に生きて行く為にはたくさんの工夫(オプション)が必要ですし、その為の知識と実践が大切になるのです。

すでに病気になっている人は、さらにたくさんの工夫が必要になります。病気を改善する為の食事やサプリメント、西洋医学、あらゆる代替療法もそのためのオプションになります。

私の本もぜひ参考にしてください。
1冊目「病気にならない暮らし事典」
https://www.amazon.co.jp/dp/4860087070
2冊目「病気にならない食と暮らし」
https://www.amazon.co.jp/dp/4860087623
3冊目「自然に沿った子どもの暮らし・体・心のこと大全」
https://www.amazon.co.jp/dp/4479784349

関連記事

no image

月刊「壮快」2018年10月号「腸内細菌が作る短鎖脂肪酸が腸の内外で大活躍」

健康雑誌の月刊「壮快」に「自然派医師が土をいじる。菌とたわむれる。」という記事を連載中です。 今月号(2018年10月号)は連載第10回目「腸内細菌が作る短鎖脂肪酸が腸の内外で大活躍」です。 短鎖脂肪酸とは、腸内細菌が産生する短い脂肪酸(炭素数2~5個)のことです。あまり解説されないことが多いのですが、腸内細菌が作り出すたくさんの物質の中で、最も重要といってよいくらい大切で、腸内細菌のほとんどの作用を担っています。 短鎖脂肪酸は、大腸の栄養源であり、消化管に直接作用する以外にも消化管以外のあらゆる臓器にまで(ホルモンや神経伝達物質のように)メッセンジャーとして作用しています。 代表的なものは酢 […]

no image

月刊「クーヨン」2019年5月号記事「脳が育つ暮らし方、食べ方」

オーガニック系育児雑誌「クーヨン」に連載中です。 今月号(2019年5月号)は予防接種についての考え方をまとめましたが、先月号を紹介していませんでした。2019年4月号の特集は「脳が育つ暮らし方、食べ方」になります。 特集では、子どもの脳の発達のために「運動」「足育」「視る力」「食事」のそれぞれ観点から家でできることがまとまっています。 足育や視るという視点も含まれているところがクーヨンさんらしいですね。 私は「かしこくなる本当の食べ方」として食事の項を担当させていただき、8ページの特集記事になっています。いつも言っていますが、腸および腸内細菌の状態が人の健康にとって最も大切ですから、当然、腸 […]

no image

月刊「クーヨン」の今月号2018年10月号の記事

オーガニック系育児雑誌「クーヨン」の今月号(2018年10月号)が発売になっています。 今月号の特集は「子どもを壊す食べ方させてませんか?」です。 私は「腸が元気になる“引き算”の食べ方」という記事で登場しています。 腸および腸内細菌の状態が人の健康にとって最も大切なことを繰り返しお伝えしています。 今までの医学、栄養学、代謝学、食事論、健康論・・・は、この最も大切な腸内細菌の概念が欠如しています。 腸内細菌が元気であれば、腸内細菌がすべての栄養素(必須アミノ酸、必須脂肪酸、短鎖脂肪酸、ビタミン、ミネラル・・・)を補ってくれます。 腸内細菌という概念がなければ○○が不足する、人が作れない・・・ […]

no image

月刊「クーヨン」2018年11月号の記事

オーガニック系育児雑誌「クーヨン」の今月号(2018年11月号)が発売になっています。 今月号の特集も必見です。テーマは「子どもの虐待 もしかしたらわたしも?」~しつけと虐待はどう違う?~です。 ・虐待はひとごとではない ・イライラや攻撃性とそのベースにある不安、恐怖 ・虐待にならない環境づくり ・児童相談所への通報とその後 ・虐待体験にて思うこと など様々な角度から子ども虐待を取り上げています。 昨年1年間の児童相談所(児相)への相談件数は13万件以上、警察から児相への通報も6万件以上になっており、毎年増加の一途をたどっています・・・ レスキューとして児相への通報が必要なことももちろんあると […]

no image

月刊「壮快」2018年9月号「人を操っているのは腸内細菌ではないか」

健康雑誌の月刊「壮快」に「自然派医師が土をいじる。菌とたわむれる。」という記事を連載中です。 今月号(2018年9月号)は連載第9回目「人を操っているのは腸内細菌ではないか」です。 数年前、最も有名な科学誌「ネイチャー」の腸内細菌についての特集号のタイトルは「(人の)操縦席に載っているのは誰か?」でした。 腸内細菌が脳の発達、自閉症、心の病気、人格・性格・行動、学習、認知、ストレス応答など人の精神活動も支配していることが次々とわかってきています。 私たちがあれこれ食べたり、欲したりするのは、実は腸内細菌が指令を出しているからかもしれませんね^^ 自閉症などの発達障害が、さまざまな現代病(アレル […]

PageTop