アトピー講演会の質問の答え②


前の記事の続きです。

Q13父親がステロイドを内服中であるが、子どもに影響はないか?
A13ないと考えて良いと思います。

Q14プールの塩素が心配。止めさせる必要はあるか?
A14止めさせる必要はありません。むしろ積極的に何もない子と同様に何でも行いましょう。塩素が心配であれば、プール後の洗いを十分に行いなどの工夫をします。

Q15お風呂は入らない方が良いとあるが、プールは?
A15本当に状態が悪い時は考慮が必要ですが、上記と同様に基本的には制限は不要でしょう。

Q16暑い季節のシャワーなども制限が必要か?
A16 1日1回くらいのシャワーを追加するくらいは問題ないでしょう。

Q17腸内細菌を増やすために日々行うと良いことは?
A17日常生活のすべてです。食事、生活、身の回りのもの・・・

Q18絶対に食べないほうが良いものとは?
A18絶対・・・しなければならないという考え方自体が良くありません。避けたほうが良い食べ物と私が考えているものは講演で述べたとおりです。これはアトピー・アレルギーに良いだけでなく生涯の健康にとって良いものとなります。
ただし、食べる事で一時的にでも欲求が満たされ、ノンステロイド・脱ステロイドを続ける意欲になるならば、自分の欲求の赴くままに好きなものを食べる、という選択があってもかまいません。ただ、治癒の方向に向いてきたら、必ず、その状況に感謝し、少しずつ食生活を改めていく必要があります。

Q19プロトピックの危険性とは?
A19プロトピックは免疫抑制剤(の軟こう)であり、ステロイド以上に作用が強力で、同時に副作用も甚大です。ステロイド以上に使用してはいけません!

Q20コーヒーは飲んでよいのか?
A20コーヒーはカフェインを含む飲み物の代表です。東洋医学の陰陽でも極陰(強く体を冷やす)とされます。あくまで嗜好品として、朝1杯だけなど工夫をしてとりましょう。

Q21市販のてんさい糖は白砂糖より良いのか?
Q21砂糖が健康を害する理由は主に①GI値(血糖値の上がりやすさ)が高い②精製されているため栄養素やミネラルが少なく、カルシウムやビタミンを奪うことなどです(他にもたくさんありますが・・・)。
GI値が高い食品は①急激に血糖が上がる(膵臓がつかれる)、②急激に血糖が下がる、③血糖値が下がりずぎる(副腎がつかれる、精神的な異常がでる)というトリプルパンチで身体にダメージとなります。GI値から見ると、てんさい糖も黒砂糖とはちみつも甘いものは軒並み値が高く、血糖値を上げるという観点からはどれも大差なく身体に良くないことになります。茶色や黒いもののほうが精製度が少なく、ビタミンやミネラルという観点からは白砂糖よりは良いことになります。ただし、精製した後にカラメル色素などで不自然に着色しているものがあります。

Q22現在脱ステ中。湿疹は減っているが、かきむしりが増えている感じがするが大丈夫か?
A22湿疹が改善傾向にあるので大丈夫だと思います。かゆみの増加に、もとの病態の変化以外に環境的なもの(触れているもの、吸っているもの)、精神的なストレスなども関係しているかもしれません。

Q23月1回のアイスクリームも止めたほうが良いか?
A23基本の食事、生活のパターンができていれば、たまにはめをはずすくらいは全く問題ないでしょう。何でもかんでも、厳密に制限することは、自分も、家族も楽しくなく、友達もいなくなります。社会の中で生きていくのですから、柔軟に、楽しく継続できる方法を考えていきましょう。

Q24食事制限について、より詳しく?
A24主に1歳以下で発症する乳児湿疹は毒を出している状態なので、それを妨げないことが原則(ステロイドが最も妨げます)であることと、できるだけ多くの栄養を取ることを主眼に考えて食事制限は基本的には必要ありません。ただし、ご両親の考える望ましい食事(動物性食品、小麦なしなど)があるのであれば、栄養が不足しないのであれば、それで大丈夫でしょう。主に1歳以降に発症するいわゆるアトピーの場合は、日常生活で積み重ねていることの結果という側面も強くなりますので、講演会で述べた食事法を考えたほうが良いと思います(基本の食事となるべく摂らないほうが良いものを考慮)。アトピーやアレルギーだけでなく生涯の健康にとって良い食事を指導しています。

Q25現在完全母乳中。母の食事が子どもの湿疹に影響を及ぼすことがあるのか?
A25母の食べ物は母の血液に変わり、そのまま母乳となります。子どもはそれを飲み、吸収して日々成長していきます。分析しようがなく、科学的に根拠がないから何を食べても良い、という専門家も多いですが、人は、その人が食べたものでできている、という原点に立ち返って考えると良いでしょう。ですから、赤ちゃんの身体にとって毒となるものを皮膚から出そうとして湿疹の症状が出ることは大いに考えられます。

Q26今は保湿剤のみを使用(かつてはステロイドも使用)。中止するためにはどのようにすれば良いのか?
A26保湿剤も止めなければなりません。そのための方法(止め方)には様々な方法があります。状況が許せば一気に止めるのが良いでしょう。リバウンドが強い、範囲が大きすぎる、仕事の都合など様々な状況により個人に合わせた作戦を立てる必要があります。

Q27脱ステをするときは通院をしながらのほうが良いのか?
A27どちらでも良いでしょう。医師ができることは実際は少ないのです。感染のチェックや状態に応じたアドバイスはできます。実行するのは本人です。

Q2810年前脱ステ成功してしばらくたったが、ハワイに行った際に若干の湿疹が再発。ステロイドを使用しないほうが良いか?
A28使用してはいけません。

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