アトピー講演会の質問の答え①

ただいま、私の初めての本を執筆中で、そちらの作業に集中していたため、しばらくブログの更新をしていませんでした。大体の目処が立ちましたので、間もなくブログを再開する予定です。
私の本は8月下旬頃に出版の予定です。詳細は後ほどブログにもアップする予定です。どうぞ、よろしくお願い致します。

私はアトピー性皮膚炎(以下アトピー)に対してステロイドを使わない医師の団体である『アトピーインフォメーション』に所属しています。会員はなんと全国わずかに50名程で、1県に5人程いる県もありますので、各県に1人いれば良い状態です。

私は、アトピーに対しては、初めからステロイドを使わない(ノンステといいます)、あるいは、既に使っている人にはステロイドの使用をやめる(脱ステといいます)を指導しています。

アトピーの治療にステロイドを使用してはいけません。難治性のアトピーの原因の多くはステロイドの副作用であるステロイド依存性皮膚炎なのです。しかし、アトピーの治療ガイドライン(標準治療)では、ステロイドの処方が第一選択になっています。ですから、ほとんどの医師はまずステロイドを処方する事になります。

今後、このブログでもアトピーの原因、考え方、治療、脱ステ、ノンステについても詳しく解説していきます。

先日の6/11日に「からすやま子育ちの会」主催の「アトピー・アレルギーについて」の講演会がありました。120名を超える皆様にお越し頂き大盛況でした。今回の講演会は、アトピーインフォメーション会員の一人である埼玉県上尾二ツ宮クリニックの水口聡子先生との共催でした。
水口先生の経験豊かな説得力のある説明に私もとても勉強になりました。また、脱ステ、ノンステの経験談をお二方に話していただきました。辛い経験を克服された経過は多くの人の心に響いたと思います。ありがとうございました。

質問の時間を用意していたのですが、あまりに質問が多かったので、時間内にお答えしたのはごく一部になりました。直接質問をしていない人にも何らかの参考になればと思いますので、主な質問に対する私の解答をのせます。

Q1食物アレルギーがあり減感作療法中。現在小麦と牛乳の摂取量を増やしてきている。「食べられること」と「治療すること」のどちらを優先するか?
A1検査の値にかかわらず、積極的に食べられるものを増やして良いでしょう。明らかにじんましんのような症状が出るものは止めます。新しい食材を食べ始める時の原則は以下の2点です。
①ごく少ない量からはじめ(ひとさじから)、大丈夫なら量を増やしていく
②加工(加熱)したものから生のものに近づける

Q2皮膚に傷があると経皮感作でアレルギーがひどくなると言われたが本当か?
A2全く気にしなくとも良いと思われます。

Q3喘息を発症した場合、ステロイド以外の治療はあるのか?
A3たくさんあります。日々の生活(規則正しい生活、外で遊ぶ、運動、日光を浴びる、微生物を排除しない)、呼吸(腹式呼吸、鼻呼吸)、食事(基本の食事を参照)、メンタルケア(ストレスをためない、笑う、我慢している事からの解放)など。

Q4表皮にコルチゾール(ステロイド)が合成されていることを確認する方法はあるか?
A4あります。しかし、確認する必要はないと思います。コルチゾールを産生できる状態(ストレスの対処、副交感神経を亢進など)にする努力が大事であり、していれば不要ということです。

Q5アトピーも乳児湿疹のように毒を排出すると治癒するのか?
A5基本的にはそのように考えてよいでしょう。しかし、アトピーの方は乳児湿疹に比べより日々の生活の改善が重要であるということです。

Q6十分な栄養がとれている状態とは?タンパク質の摂取量の目安とは?
A6計算は不要です。十分な栄養(タンパク質を含む)がとれている状態とは、子どもであれば、体重増加(さらに神経発達も)が良好であるということ。ただし、過度の動物性タンパク質の摂取は別の病気の発症(主に生活習慣病)も危惧しなければならなくなり、体重の増え過ぎにも要注意です。皮膚の状況が改善されれば本来の食事に戻していく必要があると、個人的には考えています。

Q7タンパクの摂取は植物性だけでも良いのか?
A7良いでしょう。しかし、あまりに厳密に植物性にこだわりすぎずなくてもよいかもしれません。もちろんこだわってもちゃんとやれば大丈夫です。

Q8自分自身がアトピー。遺伝は関係ないと言っていたが、子どもの為に今から気をつけられることは?
A8アトピーがあろうとなかろうと健康に生きるための基本は全く同じで、講演会で述べたこと、つまり、基本の食事、生活をすることになります。

Q9遅延型アレルギーをどう考えるか?
A9「乳児湿疹」あるいは「アトピー」と「食物アレルギー」は違う病気です。検査で引っかかっている食材を食べたからと言って湿疹が悪くなることとは関係ありません(じんましん、かゆみなどとしての症状は出るかもしれませんが)。
お金がかかる、苦痛である、時間がかかる、検査の値で食べさせる方針に違いがない。などの理由から、私は、即時型アレルギー(IgE)も遅延型アレルギー(IgG)ともに検査不要と考えています。これらはアレルギーの結果であって原因ではないのです。実際に検査の値と症状は全く相関しません。
検査の値ではなく、実際に食べさせてみてどうなのかが重要ということです。基本は「食事の制限はしない」ことで、新しい食材は上記Q1の2つの原則を守り、一つでも多くのものを食べられるようにすることが重要です。
ただし、食物アレルギーという状態が病気としてあることは間違いありません。この場合、明らかにじんましんが出る、下痢をするものだけ除去します。講演会で出ましたがアナフィラキシーの頻度は実際にはほとんどありません。

Q10アトピー以外の病気(乾燥、湿疹など)に対する軟膏や処置はどう考えるか?
A10ステロイド(さらに免疫抑制剤)は禁です。本来はその他の軟膏、オイルなども不要です。ただし、今までステロイドを使っていないのであれば、保湿剤や自然系のオイルくらいは短期間なら塗って良いでしょう。ステロイドを使った場合はなるべく早く止め、その他の保湿剤なども使用しないのが原則です(天然のものであっても)。
湿疹も何もない状態の皮膚に、予防的に毎日軟膏やクリームを塗ってはいけません。ステロイドと同じで、塗らなければ正常な皮膚の状態を保てないような状況になることが問題です。赤ちゃんの時から保湿剤等を毎日塗ることを対策として推進しているのは現代の日本だけでしょう。

Q11ステロイド以外のアトピーの治療とは?
A11基本は不要であるが、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、漢方薬などを補助的に使用しても良いと思います。個人的にはサプリメントは不要と考えます。必要な栄養素は食事から工夫してとりましょう。脱ステについての注意になりますが、脱ステとはステロイド依存性皮膚炎からの離脱を意味し、アトピーの治療をしている訳ではないということ。ステロイドを止めれば、リバウンドの後に本来のアトピーが出てくるという事です。本来のアトピーには治療は不要ですが、基本の生活、食事を見直す事による体質改善をお勧めします。

Q12脱ステ時のかゆみの対処?
A12非常に難しいです。気合いと覚悟のみという意見もあります。基本は生活、食事の改善ですが、可能な限り何でもしましょう。周囲のサポートも重要です。心の状態もまた重要です。抗アレルギー薬、睡眠薬を一時的に使用することは検討できます。

次に続きます。

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