小麦やグルテンフリーについて

古代小麦(スペルト)の種をいただきました。
たったこれだけです(笑)。

今回の記事は、最近注目されている小麦、グルテンについてまとめ、なるべく広い視点(長期的、広範的、網羅的)から問題点を整理してみました。

平成24年度の日本人一人当たりの年間米消費量は56.3kg、年間小麦粉消費量32.9kgであり、小麦粉は今や米と並んで、日本人の主食といっても良い状態になっています。世界的に見ても、小麦はトウモロコシ、コメと並んで3大穀物の一つであり、古くから(1万年以上前から)栽培されて来た主要な作物です。

しかし、最近、有名なスポーツ選手の食事法を紹介する本や過激なタイトルで誘導する本など、小麦粉やパンの害を強調する意見が多くみられ、実際にグルテンフリー・ダイエットを行っている人も急増しています。

小麦やグルテンが健康に悪いのなら、
・なぜ古くから栽培されているのでしょうか?
・なぜ3大穀物といわれるくらい世界中で作られているのでしょうか?
・なぜ昔の人は食べても大丈夫だったのでしょうか?
・もし小麦が多くの人の健康に合わないという理由で、世界の3大穀物の1つである小麦の供給が極端に制限されてくることになるなら、作物の供給バランスが大きく崩れ、飢餓人口がますます増大するかもしれません。
これらのことを念頭に入れて、以下の記事を読んでみてください。
同様のことは、糖質制限についても言えます(改めて記事にします)。

まずはグルテンフリーと小麦フリーの違いについて整理します。
グルテンは小麦のみに含まれる2つの主な蛋白が結びついて作られますが、小麦にはグルテン以外の蛋白も含まれます。グルテンフリーにしても小麦の他の蛋白に対するアレルギーを引き起こすことがあります。
小麦を抜けばグルテンフリーになると考えられますが、大麦やライ麦にはグルテンを形成する蛋白と似た蛋白が含まれます。グルテンフリーを厳密に行っている人は、交差反応(似た蛋白に対するアレルギーなどの反応)や少量のグルテンの混入を考慮して、大麦、ライ麦の全てを摂らないだけでなく、これらの麦類を原材料に含む醤油、麦味噌、コメ飴、麦芽飴、ビール、麦茶なども完全に排除しています。(注 ご指摘により一部の記載を変更しました)

次に、小麦と健康との関係や小麦が良くないとされる理由について私の意見(世界の全ての人に当てはまる健康法はない、という観点から)を書いて行きます。

身土不二の原則からみて
小麦は日本のような温暖・湿潤な気候のところよりは、乾燥し少し涼しい地域で栽培される作物ですので、身土不二(地産地消)の原則から言うと日本人が主食にするような食べ物とは言えなさそうです。

一物全体の原則からみて(GI値についても)
一物全体、GI値(血糖値の上がりやすさ)の観点から見ると、精白された白い小麦粉よりも、全粒粉に近い方が血糖を上げる作用が弱く、身体に良いと言えます(GI値は白パン91、ライ麦パン58)。うどんとそばでは、うどんのGI値は80と高く、そばは59で、GI値でみるとそばのほうが身体に負担をかけないと言えます。
注 GI値が高い食品ほど血糖値の変動が大きく、膵臓、副腎に負担をかけ、精神的にも影響が大きくなり体に負担がかかります。

陰陽の視点から
東洋思想の陰陽で考えると小麦粉自体は中庸ですが、パンは膨らませる作業が入りますので、陰性(身体を冷やす食べ物)として扱われます。特に、パンを作る酵母は、膨らませる作用の強いイースト菌の方が天然酵母よりも陰性が強くなると考えられています。

セリアック病、小麦アレルギー、グルテン不耐症の人がいる
少しずつ病態は異なりますが、重篤な症状を引き起こすこともあるため、これらの人は、食事からグルテンや小麦を抜く必要があります。しかし、いずれも頻度は高くなく、一般の人までが真似をする必要はないでしょう。最近増えていると強調する意見を見かけますが、小麦は以前から世界中で主要な食材です。アレルギーや自己免疫疾患も小麦やグルテン自体よりも我々の免疫の問題で、腸内細菌の異常がその最も重要な原因です(注 これらの病気の中でグルテン不耐症は免疫の異常ではありません)。

リーキガット症候群の原因となる
「リーキーガット症候群」とは腸粘膜の損傷により、様々な有害物質が体内に取り込まれやすくなっている病態で、現代病(アレルギー、自己免疫疾患、がん、自閉症など)のほとんどに関与しているという意見があります。これも前回の記事のように腸内細菌の異常が最も根底にあり、その上に様々な要因が加わって発症すると思われます。

品種改良による小麦に含まれる栄養素の変性
現代の小麦は遺伝子組み換えまでは行っていなくても、人に都合の良いように、交配したり、放射線照射などで品種改良を重ねた品種であるため、含まれるタンパク質や糖質が人の身体に合っていない可能性があります。これにより、古代小麦と比べて、蛋白であるグルテンや糖質の変成、他の栄養素の組成の変化などを指摘する意見が見られます。

グルテンを悪者にする人達は、特にグルテンの変成をことさら協調している(これが、ありとあらゆる病気の原因にとなっているかの)ように思われます。これが正しいかどうかの結論を出すことは現時点では困難ですが、この一点を非常に多くの病気の原因に結びつけていることには注意が必要でしょう。

農薬、肥料など(化学肥料、遺伝子組み換え、抗生剤、放射能)、ポストハーベスト(輸出に伴う大量の農薬や防腐剤の使用)、加工食品に含まれる食品添加物の問題
これらが、体に負担をかけることは、言うまでもないでしょう。これが、小麦による健康障害の主因であるという意見もあります。腸内細菌に対する影響も大きいと考えられます。

産地の問題
パスタといえばイタリアですが、世界的なパスタブームもあり、イタリアも小麦を大量に輸入している現状があります。輸入小麦であっても加工した場所がイタリアであれば、イタリア産のパスタということになります。輸入小麦には⑦で示したように様々な問題があります。

パスタの場合は高温乾燥による栄養素の変成
これも、品種改良と同様で、タンパク質をはじめとした栄養素が変性してしまいます。効率や利便性などの理由により、日本人が食べているパスタのほとんどは高温乾燥のものです。

今回の記事をまとめます。
まず、全ての国の全ての人に当てはまる健康法はないことを強調しておきます。その上で、日本に住む日本人にとっての小麦についてのまとめになります。
セリアック病、小麦アレルギー、グルテン不耐症の人は小麦やグルテンを抜く必要がありますが、一部の人に当てはまることを全員が行う必要はありません。
日本人は、小麦粉を使った食品の摂取は、あくまで嗜好品の範囲にとどめる程度にしましょう。
摂る場合は、オーガニックや自然農の小麦で、できるだけ全粒粉を混ぜ、パンの場合は天然酵母、パスタの場合は低温乾燥のものか生パスタが良いでしょう。
アレルギーや体調不良の人は、古代小麦を試してみるのも良いかもしれません。
小麦やグルテンの問題の本質は、それ自体よりも腸内細菌の異常など、私たちの身体の方にあると思われます。

小麦やグルテンに関しては、先日お邪魔した福島県会津高原にある自然食マクロビオティックの宿「タンボロッジ」さんのブログにとても詳しく書かれており、参考にさせていただきました。ありがとうございます!!
タンボロッジさんのお料理は、素材から始まり、大変な手間ひまをかけ、なにより研究を怠らない努力のたまもので、どれも芸術的な域にまで入っていると思います。興味を持たれた方は、ぜひ本物を堪能してみてはいかがでしょうか。

こちらを参照してください

今回いただいた古代小麦の種は大切につないで行きたいと思います。

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