「グリのら」さん主催の「自然に寄り添った子どもとの暮らし」の講演会の質問の答え

先日の2月22日に「グリのら」さん主催の「自然に寄り添った子どもとの暮らし」の講演会がありました。

たくさんの皆様にお越し頂き大盛況でした。お子様連れの方や家族で来られた方もたくさんおり、にぎやかでとても楽しい雰囲気でしたが、皆様、真剣に聴かれておりました。

主催していただいた郡司さんはじめ、スタッフの皆様ありがとうございました!

時間内にお答えできなかった質問のまとめを頂きました。

直接質問をしていない人にも何らかの参考になればと思いますので、主な質問に対する私の解答をのせます。

 

Q1 今現在は母乳のみですが、これから白湯など飲ませていきます。水道水を飲ませて良いのでしょうか?

A1 本来飲み水は、ミネラル豊富な山のわき水や井戸水などの生水が良いのですが、すべての人が得られるわけではありません。市販のミネラルウォータは加熱処理してあるものが多いため、生水の効能はありませんし、防腐剤が使われていることも多く、さらに経済的な面からもあまりお勧めできません。

水道水の塩素には様々な健康障害につながる可能性がありますので、塩素を除去する簡単な浄水器を蛇口につけるのが良いでしょう。放射能が気になる方は逆浸透膜型の浄水器(非常に高価)が必要になりますが、トリチウムは除去できませんし、ミネラルを含まない純水も体に良いわけではありません。

 

Q2 毎日牛乳が良いと信じて飲む実父を説得するにはどうすればいいでしょうか?

A2 牛乳に限らず食事や生活に強いこだわりを持っている人は多いと思います。まずは自分で勉強されてそのデータや資料などを見せて説明されるのが良いでしょう。あらゆる情報が氾濫している時代ですので、情報(理屈)だけを頼りに判断するのではなく、自分たちはこのようなコンセプトで生活している(例えば自然に沿っているかどうか)という基準をもつことも大切です。理屈で説明しても全く受け付けない人もいます。その場合は、実践で示すのが第一です。例えば、牛乳を飲まなくてもこんなに元気に生活してますよと示すことなどです。

 

Q3 1人目が帝王切開、できれば二人目は自然分娩にしたいのですが、希望を受け入れてくれる病院が少なく、帝王切開になりそうです。やはり受け入れるべきですか?

A3 まず、自然分娩を希望されるのは素晴らしい考えだと思います。しかし、帝王切開後の経膣分娩ですと尚、お産にはリスクを伴うことがあります。まずは、自分たちはどのような心構え(覚悟)でお産に臨むかということをしっかりと定める必要があると思います。それが定まった上での選択であれば、主治医と相談の上、もしくは、遠方になっても分娩場所を選べば可能だと思います。現代は産科医小児科医不足。それによりさらに強まってきた安全重視のお産。これも、長年患者側が強く選択し、作り上げられてきた結果といえます。産科の先生も、リスクが全くないのならば、自由なお産を選ばせると思います。本人にも子どもにも医師にもリスクがあることを自分の理想だけで強要する訳にはいかない現実があります。

しかし、初めに述べたように、自然分娩には良い面がたくさんあります。いつも述べているように、安全重視だけのお産が良いかと言えば決してそうではありません。このようなお産をめぐる社会状況を変えるのは私たちですが、現時点ではシステム上難しいことも多いのが現状。今後も課題です。

医師や助産師とよく話し合える環境にあり、可能な限りお互いに納得できる形でお産に望めれば素晴らしいことだと思います。それで決められたことであれば、どんな形であっても理想的な素晴らしい出産体験になると思います。形だけを自然に近づけるよりも、「自分で納得して選択した」ということが何より大切です。

また、腸内細菌などのことを考えると帝王切開後であってもできるだけ早期に母子接触し(カンガルーケア)、母乳を含ませたり、母子同室をお願いする、など、帝王切開を選択してもできることはたくさんあると思います。

 

Q4 私は今、福島県の郡山市に住んでいます。本間先生がお話しされるように、地産地消を大切にしたいとは思っていますが、放射能の問題も気になります。地元で畑をして暮らそうと思っていることもあり、どうしたら良いか悩みます。

A4 放射能の対策は①体に入れないということと②体に入ったら速やかに出すということです。食の原則は身土不二であり、地産地消で旬のものをとることですが、放射能の値によっては他の地域のものを摂らざるを得ないこともあるかもしれません。同じ農作物でも含まれる放射能は慣行農法(化学肥料+農薬)、有機農、自然農によっても大きく異なります。さらに同じ有機農でも微生物を使うかなどで変わってきます。現在は食だけでなくあらゆる角度から私たちがこれからどのように生きていけばよいのかを模索していく必要があると思います。

また、自分の住む地域や水、農作物の放射線量の値は常にチェックする必要があると思います。そして、未だ原発問題が先延ばしにされている以上、またこのような事故が起こり得ます。継続的な土壌のデータを採取し続けていくネットワーク作りも必要です。この際に国の基準はあてにならないことも知識として押さえておきましょう。つまり自分たちで勉強し、自己防衛する必要があるということになります。

 

Q5 本日はありがとうございました。とてもわかりやすくお話し聞かせていただきました。口腔内の常在菌を保ちつつ、口腔内のケアはどのように行ったら良いでしょうか?

A5 歯磨きは歯磨き粉(とくにフッ素入り)を使用しないのが良いでしょう。大人であれば、重曹の原粉を直接使用するのがお勧めです。墨入りの塩も良いかもしれません。子供は上手に歯磨きができるようになるまで歯磨き粉は不要と思います。

 

Q6 口腔内細菌(シュータンス菌)の母(親)子感染による虫歯のリスクが最近よく言われますが、先生はどのようにお考えですか?

A6 この世界に存在するもので意味のないことはないと考えていますので、おそらく虫歯の原因菌とされているミュータンス菌にも私たちにわかっていないような役割があるのかもしれません。

キスから、口移し、スプーンまで厳密に分けて親の菌を移さない対応をされている方を良く見かけるようになりました。わざわざ菌を移す必要はないと思いますが、虫歯予防のためだけに大切なスキンシップをためらう必要は全くないと思います。たとえ菌を移してしまっても、虫歯にならない対策はたくさんあるのですから。

 

Q7 6才女児、昨年9月にてんかんを発症しました。発作をおさえるため、現在ラミクタールを服用中です。脳に損傷はありませんが、脳波検査の結果、異常があり、てんかんを診断されました。薬を飲まなくても治る可能性はあると言われましたが、いつ起こるかわからない発作のために行動を制限するのは子供がかわいそうなため、投薬治療を決めました。先生のご見解をお聞かせください。また、完治のために生活の中でできることはありますでしょうか。

A7 てんかんは比較的頻度の高い病気です(約120人に1人)。てんかんには非常にたくさんの種類があり、とてもひとまとめに考え方や対応を説明することはできません。薬に関してだけでも、発作の症状、頻度、薬の影響、本人の体質・・・など様々なことを考慮して考えなければならないと思います。西洋医学を否定するのではなく、なるべく多くの選択肢を受け入れて、今子どもにとって何が良いのかを基準に考えればよいと思います。どのような病気、状態であっても日常生活(食、生活、心)を整えることには様々なメリットがあるでしょう。

 

Q8 自然食品も色々あるので(有機・無農薬など)、どこか良いお店があれば教えてください。

A8 たくさんのお店があると思いますが、特定のどこかをお勧めしているわけではありません。ご自身で見たり、食べたりして確かめるのが良いと思います。これからは、農家さんやお店の方と顔の見える関係を持つことも大切です。買い物は投票ですので、良いものを生産や販売している方を応援することも必要ですが、可能なら、自分で少しでも様々なものの生産を体験してみることをお勧めします。家庭菜園、みそや麹を作ったりするなど都会にいてもできることはたくさんあると思います。

 

Q9 腸内細菌の大切さはよく理解できました。よくお腹が「強い」「弱い」と言いますが、「強い」とは腸内環境が良く整っている、「弱い」はその逆と考えて良いのでしょうか?悪いもの(添加物の多いファミレス食など)を食べて下痢をするのは、解毒作用が「強い」とも思えるのですが…。何を食べてもお腹を壊さない状態がやはり「強い」のでしょうか?

A9 腸および腸内細菌の状態が人の健康にとって最も大事だと考えています。腸が強いというのは、感覚的な表現だと思います。暴飲暴食や少々良くないものを食べても症状がでないことを、腸が強いと表現することもあるかもしれませんが、これは体質などの影響が大きいので、健康的であるというのとは少し違うと思います。もちろん腸が健康な状態であれば、少しくらいなら何を食べても平気でしょう。健康的な生活をしていれば、解毒力、排出力も上がりますので、浄化の反応として、必要な時に下痢や嘔吐が出ることは良いことです。症状は病気の状態を健康な状態に戻すためや、自然から外れているサインとして出てくるものであり、辛いものもありますが、本来は悪いだけのものではありません。

 

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