ワクチンについて

定期接種は義務で任意接種は義務ではないと考えている人がとても多いのですが、現在日本で行われている全ての予防接種は「義務」ではありません。ですから、予防接種を受けるか受けないかは、ご両親が決めて良いということです。お子さんが理解できる年齢であれば、ぜひお子さんも含めて、話し合って受けるかどうかを決めてください。

どのような理由があっても、少なくても他人(学会、医師、看護師、保健師、学校の先生、児童相談所…)が予防接種を受けることを強制することはできません。お勧めするという範囲内にとどめることは問題ありませんが、強要することは日本国憲法が保証する「基本的人権」の侵害に当たります。予防接種を受けることは義務ではなく、権利であるということです。まずこの最も重要なことを抑えてください。

現在の私の考えをまず明確に示しておきたいと思います。「予防接種を受けるかどうかに決まった答えはない」ということです。

一概に予防接種を受ける事を否定しているわけではありません。すべての予防接種にはメリットとデメリットがあり、何をメリットとし、何をデメリットとするのかは人により異なるのが当たり前だからです。人には知識や経験、立場、考え方に様々な違いがあり、それにより出てくる結論が異なります。ですから、例えば私がどんなに勉強したからといって、それは私が考えるメリット・デメリットであって、決して強制することはできないということです。

ですから、予防接種を受けるかどうかを決めるためには、まず勉強をしてくださいとお伝えしています。

勉強した上で、メリットがデメリットを上回っていると思えば受ければ良いし、デメリットがメリットを上回っていると思えば受けなくても良い。つまり当たり前のことを当たり前にすることであり、決して強制されるものではありません。

勉強するに当たってですが、ネットなどの情報は、重要なことも多い反面とても偏っています。また「絶対受けさせなければならない」という意見か「絶対受けさせてはいけない」という意見かの両極端のものが多い傾向があります。医学的な知識の少ない一般の人が情報を調べれば調べる程何が正しいのかわからなくなります。

では、予防接種についてどのようなことを勉強したらよいでしょうか?
私がいつも勉強会などで予防接種を受ける前に考慮すべきこととしてお伝えしていることをまとめておきます。

  1. ワクチンに関する法律・憲法
  2. ワクチンの歴史的意味
  3. ワクチン以外の感染症対策
  4. ワクチン効果 短期、長期、ブースター効果など
  5. ワクチンの副作用 短期のもの、長期のもの
  6. 感染症の意味 感染症にかかることは悪いことなのか?常在菌を排除することの意味は?
  7. 感染症のタイミング 感染症にはかかるべきタイミングがある
  8. ワクチンに含まれるもの
  9. ワクチンを受けること・受けないことによる影響
    自分の子ども、他人の子ども、社会全体
    子どもの今、子どもの将来、次世代の子ども、未来の子孫たち
    自分たち、人類全体、生物全体=環境
    微生物の排除が現代病が増加している最も根本の原因であること
  10. 論文の信頼度、改ざん問題
    論文に書いてあるから正しいのか?
    その論文(専門家・学会)にはどこから資金が出ているのか?

それぞれの予防接種について、これだけのことを個人で勉強されるのはとても難しいかも知れません。

しかし、それでも可能な限り勉強されることをお勧めします。お子さんのことを本当の意味で守れるのは、国でも、保健所でも、医師でも、教師でもなくご両親だけなのです。様々な勉強会に参加されたり、詳しい人と話し合ったり、意見を交換し合うことも大切です。

ここでたくさんの項目を挙げたのは、予防接種を受けるか受けないかの判断は効果(メリット)だけで決めるものではなく、また、「受けていないから他の人に移すとんでもない人である」というような短絡的な考えではなく、その他の様々なメリットやデメリットを可能なかぎり考慮して総合的に決められるべきであるということです。

そして、自分のお子さんのことを真剣に考えて勉強された方に対して受けさせないことを「虐待」という一括りで非難すべきではありません。ごくごく一部にネグレクト、つまり虐待のようなケースがあるかもしれませんが、それを本当の意味で判断することが医師、保健所、児童相談所などの専門家としての本来の役割ではないでしょうか。

もちろん虐待は許されるものではありません。どのような決定も、お子さんのためを考えた上での決断であれば尊重されるべきで、少なくとも強い立場から強制されることがないような社会になることを願っています。

大切なことは、例えば、ワクチンを受けないことを選択した場合でも、その考えを他人に強要したり、ワクチン接種を勧める医療従事者などと戦ったりすべきではないということです。ワクチンを打ちたい人が打つ、打ちたくない人は打たない。そのそれぞれの考えを尊重するだけで良いと思います。

PageTop