アレルギー性疾患に対する予防接種の開発
アレルギー疾患(食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、喘息、花粉症など)に対する予防接種が登場するかもしれないというニュースですが、なんでもかんでもワクチンで防げば良いのでしょうか?
https://www.asahi.com/articles/ASLC65WK0LC6ULBJ00Z.html…
次々と新しいワクチンが開発されていますが、この予防接種は妊婦に打つことにより、子どものアレルギー性疾患(以下アレルギー)の発症を抑えるというコンセプトのようです。
妊婦から(ワクチン中の)薬剤がへその緒を通して胎児に移行し、子どものアレルギーの原因物質を作るmIgE陽性B細胞(免疫細胞の一つ)を強制的にアポトーシス(自殺)させるというのが作用機序です。
アレルギーのない子では、このmIgE陽性B細胞は、何もしなくてもアポトーシスを起こすのですが、アレルギーのある子では、なぜか生き残り、アレルギーを引き起こす物質を産生し続ける細胞になります。これが、アレルギーを発症する原因の一つと考えられています。
もちろん子どものmIgE陽性B細胞を死滅させることで、アレルギーの発症は少なくなるかもしれません。しかし、このmIgE陽性B細胞は、本来は意味があって子どもの体に存在している細胞なのではないでしょうか。それを強制的に消去することの本当の(とくに長期の)影響は全くわかりません。
つまりこのワクチンは対症療法であり、問題の根本にアプローチしていません。
根本治療を考えるなら、以下についてアプローチし、改善しなければならないでしょう。
①そもそもなぜアレルギーが増えているのか?
②なぜmIgE陽性B細胞が「自然に」アポトーシスを起こさなくなったのか?
(答えはともに、歴史的に微生物を排除し続けてきたからですが・・・)。
この予防接種をわかりやすく例えるなら・・・
肥料を与えたために作物に害虫(本来は害虫ですらなく、虫は有害な作物を食べて分解してくれているのですが・・・)がつくようになってしまった。これに対して新たに農薬を使用するようになったということになるでしょうか。(自然農をしていればわかりますが、肥料を使わなければ、本来虫はあまり寄ってきません。)
わかりにくい?ので、もう一つ例を挙げておきます^^
熱が続くので抗生剤を飲んだら、腸内細菌がやられて下痢になってしまった。これに対して、今度は下痢止めを飲まなくてはいけなくなってしまいました・・・
以前も書きましたが、親が子どもが乗り越えるべき課題をすべて先回りして防ぐことが本当に強い子を育てることにはならないと思います。皆さまはどのように感じますでしょうか?