視野を大きく持ちましょう~(健康についての)全く異なる考え方が出てくる理由~

現代は情報化社会であり、本、テレビ、新聞、雑誌などで、病気や健康に関することを毎日見聞きします。
健康ブームもあり、様々な健康法が世の中にはあふれています。

最近話題になったことを上げると・・・
プチ断食
朝バナナ
エゴマ油
ココナッツオイル
チアシード
水素水
糖質制限食
ローフード
・・・
(注 これらの個々のものについて良い・悪いというつもりはありません)
しかし、巷に流れる健康法の多くはブームが終わると、火が消えるように消えていきます。
そして、新たな健康法が次々に登場します。
さらに最近では、ネットで情報を発信する人も多くなり、実にたくさんの人が、様々な健康法をもっともらしい理由を述べながら語り、持論を展開しています。

特に、少し勉強をした人が陥りやすいのですが、勉強すればするほど何がなんやら分からなくなるのです。
そんな思いをしたことはありませんか?

例えば、「肉は体に良い」という本は、大きな書店に行ったり、アマゾンなどのネット書店で検索すれば、何十冊も出てきますね。
本でなくとも、ネットで情報を収集すれば、もっと出てくるでしょう。
逆に、「肉が体に悪い」という情報も同様に何百もあります。
これらは全く真逆な意見ですが、どちらが正しいのでしょうか?

同様に、牛乳は体に良いのでしょうか?悪いのでしょうか?
糖質は制限すべきなのでしょか?するべきではないのでしょうか?
どうして様々な意見が出たり、まったく異なる意見が出てくるのでしょうか?

理由として考えられるのは、まず、すべての人に当てはまる唯一の健康法はないということです。
例えば、
住んでいる環境(気候、風土)
人種(遺伝)
年齢
歴史的な経緯(社会全体の)
今までしてきた生活(個人、家族、地域などの)
などが異なれば、健康法や病気になりやすさも違ってきます。

しかし、全く真逆な意見がたくさんあるとはどういうことなのでしょうか?
どんなに理屈を詰めて言っているように見えても、全体を把握していなければ、「視野が狭い!」ということになります。

私は、いつも人を木に例えてお話をしています。

木全体を人の身体だと思ってください。
大きな木には何千、何万もの葉がついていますね。
この木の①という所だけに着目すれば肉は身体に良いかもしれません。
しかし、木の②いう所から見れば肉は体に悪いかもしれません。
同じようにこの木の③という所だけに着目すれば牛乳は体に良いかもしれません。
しかし、木の④という所から見れば牛乳は体に悪いかもしれません。

このように、視野が狭く一部のことにだけ固執すれば、本当のことが見えなくなることもあるのです。
西洋医学は、肺(呼吸器内科)、心臓(循環器内科)、胃・腸(消化器内科)、脳(神経内科)などのように、どんどん体を細かく分けて分析、解析していきます。
木に例えると、葉を目で診るだけではなく、顕微鏡を使って、次に電子顕微鏡を使って・・・という様に細かく分析していくということです。
しかし、逆に本質からどんどん離れていくことも多くなります。

さらに、人は自分に都合の良い理論や意見を集めがちで、それに合うように理論を構築していく傾向もありますし、巧みに自分の意見に誘導している場合も多いのではないでしょうか。

このブログでは、医師として、また、自然に即した生活をしながらみえてきたことを通して、
「どうして人が病気になるのか?」
「どうすれば健康に生きられるのか?」
などの病気や健康の最も根本の部分(木に例えれば最も太い幹の部分、あるいは木全体)についてのお話をしていきます。

気候・風土などが変われば健康法も変わりますので、主に私たち日本に住む日本人にとっての健康法についてになりますが、海外に住む人や、外国人についても応用できるように解説していきたいと思います。

関連記事

no image

グローバリゼーションの正体

グローバリゼーションと聞くと何を思い浮かべるでしょうか? 前回の講演会で、この事に関しての意味を質問されましたので、これに関しての私の考えを記事にしてみます。 私の講演会(総論)では「あなたが考えたり、行動するときの判断の基準は何ですか?」という質問をします。 現代の日本人の多くの人が「みんなしているから」という事を当たり前に選択の基準にしていると感じ、それを「一種の現代病です」と言います。 みんながしている事をただ繰り返すのなら、自分はなぜここに存在しているのでしょうか? そして、これは広い意味でのグローバリゼーションの一環であると説明します。 グローバリゼーションに関する印象が良いにせよ悪 […]

no image

自然に沿った暮らし方研究所のホームページが完成しました

私の活動や考えのコンセプトをまとめた「自然に沿った暮らし方研究所」のホームページが完成しました。 https://shizenha-ishi.com 今まで公開して来たアメブロ(自然派医師のブログ)はすべて新しいホームページのブログへ移行しています。 https://shizenha-ishi.com/blog/ 検索に混乱が生じますので、これまでのアメブロの方は閉鎖する予定です。以前のブログをフォローしていただいている方は、ぜひ新しいホームページのブログをチェックしてください。 現在、今後の情報発信の方法を検討中です。フェイスブックやツイッターの規制も強くなって来ています。今しばらくはフェイ […]

no image

ある1日 ~息子の発熱~

昨日、1歳9か月になる息子が熱を出しました。 子どもが熱を出した場合、どのように対処するでしょうか。 病院(救急病院)に駆け込む? 熱さましを使う? 抗生剤を飲む? カゼ薬を飲む? もちろん、これらのことが必要になる場合もあるかもしれませんが、私の家庭では、どれも行いません。 息子は、元気はありませんでしたが、機嫌は悪くありません。 水分をたっぷりととり、おしっこも十分出ていました。 熱は最高40.6度になりました。 解熱剤(熱さまし)、抗生剤、風邪薬などは一切使いませんでしたし、もちろん病院にもかかりませんでした。 このような行動に対して、ネットでは「これは虐待である」との意見が出ることがあ […]

no image

DIYで子どものおもちゃの「キッチン」を作りました

趣味のDIYで子どものおもちゃの「キッチン」を作りました。 久々の大作になりました。 材料は、木、アクリル板、釘、蝶番、マグネット。 道具は、のこぎり、ドライバードリル、グラインダー、紙ヤスリとシンプルなものだけで、ジグソーも丸ノコもソーガイド使っていません。 塗装はいつもの自然系ワックスBriwax「Antique Brown」と「Jacobean」でシンプルな2色に仕上げました。 設計図から書き、すべての木をのこぎりで切り、曲線はグラインダー加工です。子どもが使うので、手が触れる部分はすべて面取りし(角を丸め)、表面を丁寧にヤスリ掛けしてから塗装しています。表面からは釘が触れない様に丸棒で […]

カゼはなぜかかるのか?

  自然農の続きを書く予定でしたが、カゼを引きました。   ちょうど良い機会ですし、自然農にも関連しますので、今回はカゼを考えてみます。   数年ぶりにカゼにかかったみたいで、ここ2~3日、39度台の発熱があり、ダウンしてひっくり返っていました。 1週間ほど前に1歳の息子が手足口病にかかり治ったばかりなので、それをもらったのかもしれません。 すっかり元気になった息子は、ひっくり返っている私の腹の上に乗りかかり、ぴょんぴょん跳ねたり、遊んでもらいたくて必死に遊び道具を運んできて起こしに来たりしていました。 親ばかですが、子どもは本当に可愛いですね。息子が我が家に来て […]

PageTop