身土不二(しんどふじ)の本当の意味~微生物の観点から~

「自然に反した生活がすべての病気の原因」というのが私の基本的な考えですので、あらゆる面で自然にそった生活を提案しています。



毎日食べたり、飲んだりしたものが私たちの体を作っていますので、生活の中でも食事は最も大切なことの一つで、私は自然食を勧めています。



自然食とは、簡単には自然のままの食品、つまり、農薬や化学肥料を使わずに作った(有機農や自然農の)農産物で、食品添加物などの不自然な化学物質を使わない食事を意味します。



食とくに自然食に関しては最重要ですので、今後のブログで詳しく解説していきますが、自然食の基本的な考え方の一つに「身土不二(しんどふじ)」というものがあります。



人の体(身体)と住んでいる風土や環境(土地)とは密接な関係があり、農作物はその土地に住む人の健康にとって最も適した物が最も適した時期にできるというものです。



例えば、暑い夏には、身体を冷やす野菜である果菜類(キュウリ、ナス、トマトなど)が、冬には身体を温める野菜である根菜類(ごぼう、ニンジン、レンコンなど)が主に収穫されます。



春にとれるフキノトウ、ワラビ、菜の花などの野草や山菜は苦味が多く、冬にたまった脂肪分や毒素の排泄を促します。



このように、季節ごとに採れる作物にはそれぞれ意味があり、食材はできるだけ地元でとれる旬の作物を選ぶのが健康にとって良いことになります。



では、微生物の観点から、身土不二について考えてみましょう。



まず、理解しやすいように、以前にも書いた微生物の役割を簡単に説明します。



地球上の生物のなかで自力でエネルギーを産生(光合成)できるのは植物のみです。



自らエネルギーを産生できない動物は植物を食べるか、植物を食べた動物を食べることで生きています。



つまり、すべての生物は植物の作ったエネルギーを使って生きていることになります。



微生物は、この世界で不用の有機物を分解(不自然なもの、死んだもの、病気のもの、傷んだものなどを優先し、健康なものは対象とならない)し、植物に養分を供給しています。



つまり、微生物は地球の大きな循環(分解と創造)の要ということになります。

この微生物ですが、それぞれの土地によって異なる固有の微生物というのがいるのです。



例えば、熱帯地方には熱帯地方の、日本のほとんどが属する温帯地方には温帯地方の、寒帯には寒帯地方の微生物がいます。



さらに、自然環境は気温だけではなく、天気、降水量、日照量、湿度、風、地形など様々な影響を受け、それぞれの土地で増えやすい微生物が異なります。



同じ日本国内でも地域によって微生物の組成はすべて異なると考えられますし、同じ地域でも作物の育て方(農薬や化学肥料を使った農業、有機農、自然農など。さらにはハウス栽培や水耕栽培など)によっても変わってくると思われます。



植物に養分を供給しているのが微生物ですので、その土地固有の微生物が、その土地にふさわしい農作物を育て、その土地にふさわしい我々の体を作っていきます。



それらの農産物を食べ、私たちの身体で増えた腸内細菌などの常在菌は、自然に土に戻され、また我々の体を作る植物を育てていくという循環が生まれます。

(必ずしも糞尿を肥料やたい肥として使用するのを勧めているわけではありません)



このように我々の体(身)はその土地の微生物(土)と一体化して行くことによりお互いに支えあいながら健全に続いていくのです。



本来、自然の仕組みは、特別な理屈を考えなくとも、私たちの健康を支えてくれるものなのです。



ですから、自然にそった生活をしていれば、病気にならないということになります。



現在の日本の食生活では、旬の食べ物という考えが失われつつあり、お金さえ出せば、季節に関わらず、一年中ほぼ好きなものを食べることができます。



また、日本とは全く気候や環境の異なる熱帯や寒帯、地球の裏側からでも食物を輸入しています。さらに、輸送には莫大なエネルギーが必要ですし、農薬や防腐剤、保存料などの添加物はものすごい量が使われています。



地産地消が良いのは、ただ単に経済的な面(地域の活性化や輸送などのエネルギーの節約)からだけではなく、健康の観点においてこそ最も重要なのです。



可能なら、一つでも多くの作物を自分で育てるとより良いでしょう。都会にいても可能な事はたくさんあると思います。



作物を自ら育てることにより、安全な作物や種を得られるだけでなく、微生物を含め自然と触れ合うことができ、自然についての理解も深まります。



なにより、気分や身体の調子が良くなることが実感できると思います。



微生物や腸内細菌の話はもう少し続きます。

 

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